LSD1ファミリーは、ヒストンH3のリジン脱メチル化酵素であり、フラビン(FAD)がその酵素活性に不可欠である。本研究において、LSD1が脂肪細胞でエネルギー消費を抑制し、脂肪蓄積を促進するエネルギー代謝調節を明らかにした。また、癌細胞においてLSD1が好気的解糖と低酸素誘導性の転写因子HIFの安定化をもたらすことを示した。さらに、LSD2が肝細胞の脂肪毒性に対する防御に働くことが判明した。生命素子と転写環境の観点から、DNAおよびリジン残基のメチル化・脱メチル化によるクロマチン変換に着目した研究を行い、代謝のリプログラミングの分子基盤を明らかにした。
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