• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

先端ゲノム・トランスクリプトーム解析技術を用いた環境微生物の共生原理の解明

計画研究

研究領域マトリョーシカ型進化原理
研究課題/領域番号 23117003
研究機関独立行政法人理化学研究所

研究代表者

守屋 繁春  独立行政法人理化学研究所, 長田抗生物質研究室, 専任研究員 (00321828)

研究分担者 大熊 盛也  独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 室長 (10270597)
研究期間 (年度) 2011-07-25 – 2016-03-31
キーワード生物圏現象 / 進化 / 共生 / トランスクリプトーム
研究概要

シロアリ共生系(日和見マトリョーシカ)においては、昨年に引き続いてシングルセルゲノム・トランスクリプト ーム解析を続行した。現在Trichoninpha agilisのトランスクリプトーム解析においてはほぼリード数が飽和に達し、二次解析へと移行している。同種のシングルセルゲノム解析は引き続き配列を収集し、現在アッセンブル工程にある。シングルセルトランスクリプトームのデータより、多様な糖の資化と、そこから始まる代謝系のかなりの早期において、共生バクテリアとの代謝接続が行われている可能性が示唆されている。また、窒素や硫黄などの資源のシェアに関しても、発現頻度解析より代謝接続点に関する知見が得られつつある。
バイオフィルム(並列マトリョーシカ)においては、福島県で採取されたバイオフィルムにおける元素蓄積に関する解析とその解釈を実施し現在論文化の途上にある。本研究においては、ランタノイド系列の元素を吸着するバイオフィルム群落を見いだすことに成功し、その群落の微生物集団的特徴を記述した。この結果を元に、ジオケミストリと「並列マトリョーシカ」間の生態系機能と、それに関連する生物間相互作用を解明するために、さらに多様なバイオフィルム集団と、その生態系中での物質循環機能をタイピングし、創発的共生系の環境中での役割に迫りたい。
さらにサンゴ共生系(可逆マトリョーシカ)においては、サカサクラゲの飼育・ラベリングシステムの構築と運用を開始し、実験に必要な生体の確保を行っている。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

計画通り、ゲノムトランスクリプトーム解析は進行しており、データが蓄積されている。
可逆マトリョーシカに関しては生物の性質による若干の遅れがあるが、当初計画の想定の範囲内である。

今後の研究の推進方策

シロアリ共生系についてはTrichonymphaの解析結果をまとめると共に、共生バクテリアとの共生的接続点の抽出にステージを移す。
バイオフィルムに関しては、複数の集団に関するタイピングを行い、実際の代謝接続点の抽出へ向けて研究を進める。
サンゴ共生系については、代謝ラベルとトランスクリプトーム解析による時系列解析へと研究を進める。

  • 研究成果

    (5件)

すべて 2013 その他

すべて 学会発表 (5件) (うち招待講演 1件)

  • [学会発表] 環境微生物の代謝産物をシングルセルで観察できるか~ムカシシロアリの腸内原生生物ミクソトリカを例に~2013

    • 著者名/発表者名
      木原久美子, 中西裕美子, Nathan Lo, 本郷裕一, 福田真嗣, 守屋繁春
    • 学会等名
      日本微生物生態学会
    • 発表場所
      鹿児島
    • 年月日
      20131123-20131124
  • [学会発表] シロアリ共生微生物の遺伝子資源による バイオマス利活用の可能性

    • 著者名/発表者名
      守屋繁春
    • 学会等名
      生物工学会
    • 発表場所
      広島
    • 招待講演
  • [学会発表] 先端ゲノム・トランスクリプトーム解析技術を用いた環境微生物の共生原理の解明

    • 著者名/発表者名
      守屋繁春
    • 学会等名
      国際シンポジウム&第2回マトリョーシカ型生物学研究会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] シロアリ腸内共生原生生物 Trichonympha agilis のシングルセルトランスクリプトーム解析の速報

    • 著者名/発表者名
      木原久美子, 山田 明徳, 本郷 裕一, 守屋 繁春
    • 学会等名
      国際シンポジウム&第2回マトリョーシカ型生物学研究会
    • 発表場所
      京都
  • [学会発表] Comparative genomics of the nitrogen-fixing endosymbionts of the cellulolytic protists Pseudotrichonympha spp. in the gut of termites

    • 著者名/発表者名
      Ajeng K. Pramono, Akinori Yamada, Hirokazu Kuwahara, Yuji Mochizuki, Takako Mabuchi, Osamu Kitade, Nathan Lo, Shigeharu Moriya, Atsushi Toyoda, TakehikoItoh, Moriya Ohkuma, Yuichi Hongoh
    • 学会等名
      18th International Congress on Nitrogen Fixation
    • 発表場所
      Miyazaki

URL: 

公開日: 2015-05-28  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi