研究領域 | マトリョーシカ型進化原理 |
研究課題/領域番号 |
23117003
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研究機関 | 独立行政法人理化学研究所 |
研究代表者 |
守屋 繁春 独立行政法人理化学研究所, 環境資源科学研究センター, 専任研究員 (00321828)
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研究分担者 |
大熊 盛也 独立行政法人理化学研究所, バイオリソースセンター, 室長 (10270597)
本郷 裕一 東京工業大学, 生命理工学研究科, 教授 (90392117)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 共生 / バイオマス / トランスクリプトーム |
研究実績の概要 |
シロアリ共生系においては、シングルセルトランスクリプトーム解析を進め、データの蓄積を行った。イエシロアリの3種の原生生物のトランスクリプトーム解析より、資源のフードセグリゲーションに様態を明らかとし、パブリケーションの準備を行っている。また、副次的にバイオマス利用に関する有用遺伝子群が取得され、別途応用研究へと成果物のスピンアウトを行う事が出来た。 また、バイオフィルム共生系においては、totalRNAseq法による解析手法の開発を行った。この方法は、共生系内のRNA全体をcDNAライブラリーとし、それら全てをハイスループットで解読することで、従来のような発現遺伝子に関する配列のみならず、リボゾームRNAのような生物のID決定に重要な遺伝子の配列を広く解読することが可能となる。これまでに、実際にモデル微生物集団を対象とした試験によって定量性を確認したほか、実際のサンプルを用いた発現遺伝子群の差異の検出の試行を行い良好な結果を得ている。これについては、来年度サンプルを広く収集し、論文発表に向けたデータ蓄積を進めていく。 渦鞭毛藻共生系に関しては、光条件の異なる飼育系でのホストのサカサクラゲのcDNAライブラリー構築と、そのシーケンスを行った。現在のところ、共生体由来の遺伝情報の切り分けを行っているが、餌生物等からの遺伝子の汚染が認められ、情報学的方法によりそのスキミングアウトを行っている。今後、データのクリーンアップ後に実際の代謝接続点に関する解析を、統計的手法を用いて行っていく予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
シングルセルゲノム解析に遅れが見られるが、これは当初より予測されていたものであり、また、それ以外は順調に解析が進行しているため。
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今後の研究の推進方策 |
シロアリ共生系については、原生生物共生バクテリアのゲノム解読を行う。またm機能的な共生原理として、原生生物間の資源の棲み分けについての解析を進める。難航している共生原生生物のシングルセルゲノム解析に関しては情報学的解析を進める。 バイオフィルムに関しては、昨年度開発してきたTotalRNAseq法によって解析を進め、実際のバイオフィルム群集における微生物感の機能的共生関係を明らかにする。 渦鞭毛藻共生系に関しては、トランスクリプトーム解析による共生系・宿主感の代謝接続点の解析を行う。
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