研究領域 | マトリョーシカ型進化原理 |
研究課題/領域番号 |
23117006
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
稲垣 祐司 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50387958)
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研究分担者 |
小保方 潤一 京都府立大学, 生命環境科学研究科, 教授 (50185667)
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キーワード | オルガネラ進化 / ゲノム進化 / 共生 / 光合成 / 窒素固定 |
研究概要 |
Rhopalodia科珪藻類を用いた研究 楕円体ゲノム解読を開始した。Rhopalodia科珪藻類Epithemia turgidaの培養株から楕円体を粗精製し、DNAを抽出した。次に楕円体DNAを全ゲノム増幅し、パイロシークエンス用DNAライブラリーを作成した。現在このライブラリーをイルミナシークエンシングしている。 網羅的発現遺伝子(EST)解析の準備を開始したが、Epithemia turgidaの増殖状態が悪化し、cDNAライブラリー作成に十分なだけの細胞を取得できなかった。現在楕円体ゲノムシークエンスしているE.turgida株が単離された場所を初め、複数地点から単離と培養株化を行った。 有殻アメーバPaulinellaを用いた研究 筑波大学で単離した株を含むPaulinella Chromatophoraの培養株4種を筑波大学より分与して頂き、培養条件の検討を開始した。培地の組成、培養温度、光強度、明暗時間等を株毎に再検討し、ゲノム・トランスクリプトーム解析に用いる株とその培養条件を絞り込んだ。また、検討したいずれの株についてもバクテリアや糸状菌の混入が認められたため、混入微生物の量を減らす実験条件の検討をあわせて行っている。また、最も生育の速い株から実際にRNAを抽出し、完全長cDNA解析のための実験条件の検討を始めた。本研究ではPaulinella chromatophoraの核遺伝子について、転写開始点やプロモーターの生成機構に関する解析を進める予定だが、その先行モデルとして、本年度はシロイヌナズナのプロモーター生成機構に関する研究もあわせて行い、pol IIプロモーターのDe novo生成の過程で、転写されるコード領域にあるATG開始コドンが重要な働きをしていることを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
Epithemia turgidaの楕円体ゲノム解析は順調に進んでいるが、宿主珪藻細胞の増殖が悪化したため網羅的発現遺伝子(EST)解析の準備演遅れている。
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今後の研究の推進方策 |
Epithemia turgidaをはじめRhopalodia科珪藻類を自然環境から単離・培養株化を早急に行う。増殖のよい培養株については、E.turgidaか否かに関係なく網羅的発現遺伝子(EST)解析を行う。またE.turgida以外が培養株になった場合、当該珪藻株の楕円体ゲノムを再度決定しなおす。 培養条件の確定したPaulinella株を大量培養し、研究計画通りcDNAライブラリーの作成、EST解析を実施する。また当該培養株の有色体ゲノムの解読も、必要なら実施する。
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