計画研究
Rhopalodia科珪藻Epithemia adnataの宿主核ゲノム中にコードされた楕円体の維持・制御に関わる遺伝子を探索した。その結果、ペプチドグリカンの代謝に関連する遺伝子を同定した。当該珪藻細胞内でペプチドグリカンを保持する構造は楕円体のみであり、これら2つの遺伝子は宿主細胞が楕円体のペプチドグリカン代謝を制御している証拠であると考えらえれる。これまでのゲノムシーケンス解析、遺伝子転写物の網羅的シーケンス解析、転写開始点解析データ等を総合し、有殻アメーバPaulinella chromatophora MYN-1株の宿主核ゲノムの概要が把握できた。ゲノムサイズは約1Gbpだと推測され、これまでのゲノムシーケンスデータのカバレッジはX137となっている。転写物データは合計41.3Gbpに達し、転写開始点解析で取得した約10億タグ(合計3.3Gbp)と併せ、ゲノム上での転写反応がどこから開始されているかの概要を十分に把握できた。現在ゲノム配列のアノテーションを行っている。アノテーションが終わり次第、そのデータをもとにシアノバクテリア共生体(有色体)の獲得に伴う宿主核ゲノム進化の全容の解明に取りかかることができる。Rhopalodia科珪藻の楕円体を高精度で推測するためには、楕円体に直近の自由生活性シアノバクテリアのゲノムデータに基づく大規模分子系統解析が必要である。前年度までのシーケンス解析により、Cyanothece sp. NKBG520001株ゲノム中には複数種のIS配列が多数存在するため完全解読は困難であることが判明した。但し楕円体の起源を推測する系統解析には十分であり、H27年度はNKBG20001株ドラフトゲノムデータを加えた大規模分子系統解析を実施した。その結果、楕円体は淡水産のCyanothece属シアノバクテリアとの姉妹群関係が強い系統的支持のもと復元された。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (12件) (うち国際共著 4件、 査読あり 9件、 謝辞記載あり 9件、 オープンアクセス 5件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 12件、 招待講演 4件) 学会・シンポジウム開催 (1件)
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