研究領域 | マトリョーシカ型進化原理 |
研究課題/領域番号 |
23117008
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
金子 修 長崎大学, 熱帯医学研究所, 教授 (50325370)
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研究分担者 |
坪井 敬文 愛媛大学, プロテオサイエンスセンター, 教授 (00188616)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2016-03-31
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キーワード | 原虫 / マラリア / 赤血球 / オルガネラ / 細胞内輸送 |
研究実績の概要 |
二次共生由来オルガネラという「オルガネラ二重構造」を内部に持つアピコンプレクス門原虫は、さらに真核細胞へ侵入・改変することでマトリョーシカ構造を発展させる。本研究では赤血球に侵入・改変して発育するマラリア原虫について、種々の分泌オルガネラに局在するタンパク質の網羅的同定と各オルガネラへの輸送に関わる分子の同定を通じて、細胞侵入と寄生成立を可能とする特殊化された分泌オルガネラの機能と起源を明らかにし、マラリア原虫が赤血球を隷属化するマトリョーシカ化発展機構の成立と分子機序を包括的に理解することを目的とする。平成26年度も赤血球侵入型原虫のオルガネラに局在すると予想されるマラリア分子群に対して作製した抗体により、オルガネラへの局在と機能の解析を継続した。その結果、熱帯熱マラリア原虫メロゾイトのデンスグラニュールに局在する新規の分子としてPfPV1を同定した。さらに、PfPV1の赤血球侵入後の動態を超解像顕微鏡を用いて詳細に観察し、寄生胞膜に局在することを明らかにした。また、感染赤血球内に輸送される原虫分子SURFINの細胞内輸送の機序をより明らかにするために、種々のタグを付与した部分組換えSURFINを作製し、SURFINが分子量 700 kDa以上の複合体を形成することを見出した。プロテオーム解析により複合体を構成する分子の同定に成功した。また、感染赤血球表面に組換えタンパク質が露出しているかどうかを検証するアッセイ系を構築した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
種々のオルガネラタンパク質に対する抗体の作製と性格付けも順調に行っており、また、SURFINへ結合する分子が同定できたため、おおむね順調に進展していると考える。
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今後の研究の推進方策 |
赤血球侵入型原虫のオルガネラ形成が開始される時期、および感染赤血球のマウレル裂が形成される時期に転写が見られ、N 末端の粗面小胞体移行シグナルもしくは細胞膜貫通領域を持つ事を指標として選択したマラリア分子群に対して作製した抗体により、各種オルガネラタンパク質の性格付けを継続する。平成26年度に同定した赤血球内標的オルガネラへの輸送に必要なモチーフに結合する分子群について裏付けを進めると共に、SURFINが赤血球内から赤血球表面へ移行するために必要な部位に結合する分子の同定も進める。
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