研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
23119003
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
田川 陽一 東京工業大学, 大学院・生命理工学研究科, 准教授 (70262079)
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キーワード | 発生・分化 / 細胞・組織 / 再生医学 / バイオリアクター / 肝 / 薬物代謝 |
研究概要 |
本研究では、分化誘導因子の時空間的制御をしながら、ES細胞やiPS細胞を成熟肝細胞まで分化誘導する合成生物学的アプローチを開発し、高機能in vitro肝臓モデルを構築することを目的とする。本年度からスタートし、研究する設備は整いつつあり、以下に進捗状況を記す。 第一に、ヒトES・iPS細胞から肝組織構築までのプロセスが安定的にできることを確認した。さらに、肝組織構築までの各段階の遺伝子発現の解析をRT-PCRによりおこなった。現在、リアルタイムPCRを用いて詳細な解析をおこなっている。 第二に、in vitro肝組織に培地流路のあるマイクロデバイスを開発し、マウスES細胞由来肝組織チップにおいて肝機能を向上させることに成功した。さらに、独自に樹立した門脈結紮誘導肝幹細胞から安定的に肝細胞誘導や肝組織構築することに成功した。この肝幹細胞1つから成熟肝細胞へ分化するような微小環境コントロール可能なデバイスの開発を進めている。 第三に、成熟肝細胞へ分化誘導巣をサポートするための内皮細胞の樹立を試みた。現時点では、類洞内皮細胞を樹立するため、温度感受性SV40T抗原変異DNAの作製し、発現ベクターに組み込んだ。この発現ベクターをマウス個体へ導入し、類洞内皮細胞の樹立を試みている。さらに、他の肝非実質細胞の樹立も同時に試みている。 第四に、遺伝子回路設計のための応答性プロモーターの設計・シミュレーションを行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
ES細胞から肝細胞までの各分化段階の細胞の代表的なマーカーでプロモーター活性化を誘導するシステム構築に苦労している。その他に関してはおおむね予定通りに進んでいると考えている。
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今後の研究の推進方策 |
当初の予定では、遺伝子回路は5段階程度の反応性を考えていたが、簡素化を検討していきたい。また、遺伝子回路と並行して、マイクロデバイスによる1細胞分化システムの開発に力を入れいてきたいと考えている。
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