計画研究
人工ネットワークのポテンシャルを最大限に発揮するためには、個々の部品となる生体分子の持つ特性を、人工ネットワークに対して最適化することが重要であり、本研究では、人工遺伝子回路の機能向上のために進化分子工学的手法を用いて生体分子を改良している。山村班との共同研究において構築・解析されてきた人工遺伝子回路研究について、さらなる研究を進め、レポーター遺伝子の発現制御領域が人工遺伝子回路の制御タンパク質を結合して吸収してしまう影響の数理モデル化が予言する現象が、生きた細胞でも見られることを顕微鏡観察によって確認した。また、アミノ酸の種類を変化させた人工遺伝暗号表の適用対象として、システインを持たずとも活性を保持する蛍光タンパク質を開発した。さらに、自己スプライシング(RNA編集)活性をもつグループI RNA酵素(リボザイム)を人工改変し、2分子のRNA酵素を差別化しつつ選択的にペアリングする分子デザインを考案し、一対のRNA酵素が協調的に作動するRNAデバイスの基幹ユニットを構築し、細胞内類似環境での作動とその検出に成功した。具体的には、(i)単独ではRNA酵素の触媒能が抑制された状態にある人工リボザイムがペアリングにより並列的(シス)に活性化するRNA分子を、鋳型DNAからの転写と連動したフォールデングに依存した編集反応を蛍光性RNA分子によりリアルタイム検出することに成功した。(ii)ペアリングにより活性化された一対のRNA酵素が交差的(トランス)に編集される分子システムの構築に成功し、その編集反応を蛍光RNA分子によりリアルタイム検出するシステムの構築を行なった。
27年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (6件) (うち査読あり 5件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (31件) (うち国際学会 10件、 招待講演 3件)
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