研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
23119006
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ロンドレーズ ヤニック 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (10548770)
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 遺伝子 / マイクロ流体デバイス / 合成生物学 |
研究概要 |
本研究では、「眺めて解析する」システム生物学から「創って解析する・利用する」合成生物学へのパラダイムシフトを実現するために、実験と理論を結びつける新しい実験プラットフォームの開発を行う。マイクロ流体デバイス技術を用いることにより、生体分子ネットワークに対し、理論上想定した動的な入力を与えることができ、なおかつ網羅的解析が行える機能評価プラットフォームを実現することを通して、合成生物学の工学的技術基盤を構築することを目的とする。本研究課題では、他の班で開発される無細胞反応系あるいは人工遺伝子回路を組み込んだ細胞の機能評価とそのセレクションをハイスループットに行うプラットフォームとして(1)マイクロチャンバ系と(2)マイクロ液滴系の2種類のマイクロ流体システムを開発する。 今年度はマイクロチャンバとマイクロ液滴の2種類のマイクロ流体システムを開発し、基礎的検討を行った。具体的にはマイクロチャンバ系ではマイクロチャンバの底面部分に電極を配置することによって、単一細胞を誘電泳動によって効率よくチャンバ内にトラップすることに成功した。また、細胞を生きたまま捕捉出来ることと、人工遺伝子回路の評価で一般的に用いられる細胞内の蛍光タンパク質発現のモニタリングが可能なことを確認した。マイクロ液滴系では反応ネットワークを液滴の微小な体積の液体中で長時間観察するために安定なマイクロ液滴プラットフォームを開発した。開発されたマイクロチャンバまたはマイクロ液滴内を用いて細胞内に導入した人工遺伝子回路の機能評価または反応ネットワークの観察が期待される。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
申請書で述べた目的である、マイクロ流体システムの開発を達成したため。
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今後の研究の推進方策 |
DNA鎖と数種類の酵素からなるツールボックスを用いて構築したin vitro反応ネットワークを用いて、今年度開発したマイクロ流体プラットフォームの評価を行う。また、領域内の他班との共同研究については、他班の要求に応じて、開発したプラットフォームの改良を行う。
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