研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
23119006
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
ロンドレーズ ヤニック 東京大学, 生産技術研究所, 特任准教授 (10548770)
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研究期間 (年度) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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キーワード | マイクロ・ナノデバイス / 遺伝子 / マイクロ流体デバイス / 合成生物学 |
研究概要 |
2013年度は昨年度に引き続き,筆者らが開発するin vitro反応ネットワークをマイクロ流体デバイスで形成したマイクロ液滴内で実装する事に注力した.in vitro反応ネットワークについては,捕食-被捕食者関係を模した新たな振動子ネットワークを構築し(ACS Nano 2013),それをマイクロ液滴内に実装することに成功した(Chem Comm 2013).また,反応ネットワークの時空間的な伝搬をconfinedなマイクロ領域内で観察する事に成功した(JACS 2013).理論側の研究では,計算機支援設計(CAD)による反応ネットワーク設計について検討を行い(JRSoc Interface 2014; Nat. Comp, in press),反応ネットワーク設計の効率的なアーキテクチャについて議論を行なった(JRoc Interface 2013).伊庭班とは,反応ネットワークのin silico進化について検討を進めた(ECAL 2013 & IEEE Trans. Ev. Comp. 2014).木賀班とは,目的たんぱく質を,研究代表者が開発したDNA-toolboxとPCR法を組み合わせる事で,進化工学的なアプローチによりクローニングで得る手法についての検討を開始した.花井班,柘植班,田川班とは,それぞれの共同研究で用いるデバイスの改良を昨年度に引き続き行なった.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
おおむね計画研究調書に沿った形で進捗している。 また、多班との共同研究の成果に関しても論文化が出来始めている(伊庭班との共同研究)。
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今後の研究の推進方策 |
今年度は、ネットワークの入力成分の濃度をパラメータとし、動的な入力を与える事が可能な、プラットフォームの開発を行なう。また低濃度の入力を与えた際に生じるネットワークの振る舞いについて確率論的な視点からの議論を行なう。 in vitro反応ネットワークにおいては、シングルノードのbistability(双安定性)やbirythmicity(二律性)などの新たなアーキテクチャと機能を持つ系の構築を行なう。また、ブラウン運動を利用したSwarm robotと分子ネットワークについても検討を開始する。領域内の花井班、柘植班、田川班との共同研究については、各班の要求に応じて、開発したプラットフォームの改良を今年度も引き続き行ってゆく。木賀班とは、反応効率の高いニッカーゼをDNA-toolboxと液滴デジタルPCRを組み合わせた進化工学的手法で獲得するためプラットフォームの製作を行う。伊庭班とは、これまでの成果であるin silicoで進化する反応ネットワークを試験管内で実装することを目指す。また、これまでの研究成果であるin silicoの反応ネットワークに関するプログラムをリリースすることについても検討を行なう。
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