研究領域 | 動的・多要素な生体分子ネットワークを理解するための合成生物学の基盤構築 |
研究課題/領域番号 |
23119008
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研究機関 | 東京工業大学 |
研究代表者 |
山村 雅幸 東京工業大学, 総合理工学研究科(研究院), 教授 (00220442)
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研究期間 (年度) |
2011-07-25 – 2016-03-31
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キーワード | 人工遺伝子回路 / 非線形動力学 / 確率過程 / 複雑ネットワーク / 並列シミュレーション |
研究概要 |
およそモノづくりは、概念設計から実現に至るまで系統的なアプローチをとるべきである。分子や細胞のように手に取って調べられない対象に対しては、各段階での分析・設計、試行からのフィードバックに、適切な数理モデリングと、パラメータ最適化・シュミレーション、システム構造解析等の計算機の利用が欠かせない。本研究の目的は、これら合成生物学を支える情報科学的基盤技術の開発にある。 合成生物学の先駆的研究では、非線形システム解析の常套手段が援用されてきた。そこでは十分多くの分子が関与し、均一系の試験管内のような単純化された状況が想定されている。細胞内では、組換えられたネットワーク自体の複雑さに加えて、生体分子の局在化、少数分子のゆらぎの影響や、増殖のような想定外の事象をも取り扱う必要がある。合成生物学の対象は理想化・単純化された状況から大規模・複雑・不均一なものにシフトしつつあり、それらを考慮した新たな数理モデルの構築が必要である。計画研究A01、B01 各班の対象をテストベッドとして、微分方程式に確率過程論や統計物理といった異質の解析手法を組み合わせ、マルチフィジックス・マルチレイヤーモデルによる機能解析に取り組む。最終的にC01 班の成果と合わせ、合成生物学研究の総合支援ネットワークを提案する。 本年度は、木賀班との連携により、トグルスイッチ回路を細胞腫の分化比コントロールに用いたモデル系を対象として、数理モデルの構築とシュミレーションをおこなった。伊庭班と連携して、周波数特性に注目した発振する遺伝子回路の最適設計を行った。花井班と連携して、大規模遺伝子回路のパラメータ推定を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当初計画では5つのサブテーマに分けてそれぞれ研究を進めている。このうち、(1)基本素子のモデル化は予定より進んでいる、(2)複雑な回路のデザインは進化的設計の成功により遅れを取り戻している、(3)大規模システムの制御は順調である、(4)細胞群システムの制御も順調である、(5)共通モデリングベンチはやや遅れ気味である、ことからおおむね順調と判断した。
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今後の研究の推進方策 |
当初計画通りに5つのサブテーマに分けて研究を進める。研究期間前半は研究者間の交流がやや少なかったことから、研究者間の連絡を密にするために四半期に1回のセミナーを実施する。これにより、計画研究内の相互作用を高めると同時に、領域の特に公募班に対する啓発活動に重点を置いて研究を進める。
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