計画研究
判断および意思決定の基礎研究に関わる論理学、論理哲学の基礎研究を行った。理論面及び実験手法に関して海外連携共同研究者たちとの打ち合わせながら進めた。行動遺伝学的手法による意思決定調査のデータを解析した。意思決定課題、論理課題、IQ課題、パーソナリティ課題を組み合わせた行動遺伝学調査及びデータ分析を進めた。この関連性については新しい知見が得られつつある。意思決定や推論・判断における図的表現の有効性についての認知科学的被験者調査を開始した。特にこれまで進めてきた図的意味論の研究と社会心理学分野などで研究されている多属性マトリクスの提示により意思決定の研究とも組み合わせた研究の方法論を検討した。また、この方法論を基にしてアイトラッカーを用いた研究をパイロット実験として進め、成果が得られた。行動遺伝学への論理課題の導入、ゲーム理論と認識論理の融合、動的義務論理・線形論理などの動的インターアクションの論理などの多層的手法により、複数の主体間のインターアクションの基での意思決定プロセスモデルを研究した。また、これと並行して、実験調査的手法及び哲学的手法との関連性の解明に向けた実験デザインを検討した。論理的ルールの理解は人間の高次の推論やモデルベール意思決定やや合理的判断にとって重要となる場合があると考えられる。このルールの理解や論理的計算の概念について論理哲学の研究および論理構造の基礎理論の研究を通じて検討してきた。Wittgenstein, Husserl, Intuitionism, linear Logicなどの研究を通じてこのことを行い、成果が得られた。
2: おおむね順調に進展している
双生児被験者被験者に対する意思決定課題調査では論理学的手法も加えた観点から調査した。意思決定と論理推論力に関する遺伝的相関性などの新しい知見が得られつつある。また、これまでの図的意思決定、図的推論研究に加えて、アイトラッカーなどの認知科学手法を用いて論理学的観点と社会心理学的観点を組み合わせた研究も導入した。帰納的ゲーム理論や形式論理手法(例えば義務論理)による意思決定の動的モデルの研究も進展している。意思決定における合理性やルール概念や論理に関する言語行為論、論理哲学、言語哲学による理論研究も進展しているといえる.これらそれぞれのテーマで国際学術誌などで成果を公開してきた。
これまでの分野横断的で多層的な意思決定研究をさらに進める。これまでの研究方策に従って研究をさらに進展させる。双生児被験者を用いた論理手法と行動遺伝学手法の組み合わせによる研究、図的課題認知科学手法と論理学手法を融合した研究、ゲーム理論と認識論理、動的認知論理、動的義務論理などの形式的手法による研究をさらに進める。本研究期間の後半はこのような分野融合的研究にもさらに力を入れ、これらを通じて、人間の高次のモデルベース推論・意思決定の側面を捉えることを目指す。
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