研究領域 | 予測と意思決定の脳内計算機構の解明による人間理解と応用 |
研究課題/領域番号 |
23120007
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研究種目 |
新学術領域研究(研究領域提案型)
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研究機関 | 沖縄科学技術大学院大学 |
研究代表者 |
銅谷 賢治 沖縄科学技術大学院大学, 神経計算ユニット, 教授 (80188846)
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キーワード | 意思決定 / モデルフリー / モデルベース / 強化学習 / ベイズ推定 / 二光子顕微鏡 / 大脳基底核 / 大脳皮質 |
研究概要 |
1)頭部を固定したマウスがトラックボール上で歩行運動を行える装置を作製し、間欠的な音刺激の位置が、マウスの歩行方向と距離に応じて移動する仮想ナビゲーション環境の構築を行った。まず、前方からの音刺激に対してマウスが前進運動を行うと水報酬が得られるという課題、次に左右のスピーカーからの音刺激に対して旋回運動を行い、音源が正面に来た状態で停止すると水報酬が得られるという課題の学習に成功した。そのために適切な音刺激の種類の選択、12個のスピーカーからの音量と残響成分により仮想的な音源定位を行うアルゴリズムの開発を行った。さらに、音刺激に対して定型的な行動で報酬に到達できる状況と、音源の推定位置のモデルベースの更新が必要な状況を実現するための条件の検討を進めた。 2)行動中のマウスの神経活動の光学計測のため、新たな二光子顕微鏡の作成を行った。また、光学計測のため頭蓋骨を除去しガラス板を埋め込む手術、錐体細胞特異的にカルシウム感受性蛍光色素を発現させるアデノ随伴ウイルスの導入の手術のトレーニングを進めた。その結果、2次運動皮質のII/III層の錐体細胞に蛍光色素を発現させ二光子励起により観測できることを確認した。 3)これまで行ったラットの行動データと、大脳基底核ニューロンの多電極記録データの解析を進めた。 行動解析により、ラットの行動は単純なモデルフリーの強化学習では捉えきれず、報酬期待値の不確かさに応じて行動選択と学習速度が変化すること、また線条体の腹側部、背内側部、背外側部のニューロンが、報酬予測と行動選択、また行動を変化させる内部状態に関して異なる情報を表現することを明らかにした。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
頭部と固定した状態での仮想音源への到達運動という全く新しいパラダイムの開発には未知の困難が予想されたが、前進、旋回それぞれの運動で学習を確立することができた。新たな二光子顕微鏡の作成も順調に進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
これまで構築したマウス行動実験系と二光子顕微鏡を活用して、今後行動課題のチューニング、モデルフリーとモデルベースの行動を区別するための解析手法の開発、さらにそれぞれに応じた神経活動記録を進める。
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