平成27年度は以下の目的で研究を行った。ゼブラフィッシュを実験材料として、遺伝子操作技術を駆使して、神経活動の可視化や人為的操作を行うことで、基底核を中心として、行動プログラムの形成と読み出しに関わる神経回路の、動作様式を細胞レベルで可視化し、その動作特性を明らかにするために、以下の研究を行う。1)高速スキャン型共焦点レーザー顕微鏡、2光子レーザー顕微鏡を用い手、神経活動を可視化する。2)行動プログラムの形成と選択に関わる神経回路を、脳の部位ごとに操作するために、終脳の異なる部位ごとに、遺伝子操作を可能とするトランスジェニック・ゼブラフィッシュを作成する。3)上記観察システムと遺伝子発現制御システムを使うことによって、行動プログラムの形成と選択に関わる神経回路の動作特性を明らかにする。 平成26年度までの研究で、ゼブラフィッシュ終脳の各種神経細胞を個別に標識するためのトランスジェニック系統の作成を終えた。平成27年度は、このシステムを利用して、活きたゼブラフィッシュの成魚が,能動的回避学習等の行動学習を行う過程や、学習が成立した後で、記憶を想起する過程で、どのような神経活動が見られるかを観察するための閉鎖ループ仮想現実空間システムを完成させた。
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