研究領域 | 食欲と脂肪蓄積の制御と破綻の分子基盤の解明 |
研究課題/領域番号 |
23126101
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
脇 裕典 東京大学, 医学部附属病院, 特任准教授 (00466765)
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研究分担者 |
岩部 真人 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (30557236)
岩部 美紀 東京大学, 医学部附属病院, 特任助教 (70392529)
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研究期間 (年度) |
2011-04-01 – 2015-03-31
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キーワード | 糖尿病 / 肥満 / 疾患感受性遺伝子 / エピゲノム / 転写 |
研究実績の概要 |
脂肪細胞肥大化の系を用いて肥大化に伴い活性が減少するAdプロモーター領域の探索を施行し、レトロウイルスによる過剰発現とRNAiによるノックダウン解析、ゲルシフト解析、ルシフェラーゼ解析から、この領域に結合しAd転写を制御する因子としてHeb1を見出した。Heb1の発現はin vitroや肥満モデルマウスの肥大化脂肪細胞において減少しており肥満に伴う脂肪細胞内の代謝ストレスシグナルやエネルギー代謝制御シグナルの変化が、Heb1の発現を制御していることが示唆された。2型糖尿病疾患感受性遺伝子として同定されたCDKAL1は3T3-L1脂肪細胞において脂肪蓄積および脂肪細胞分化に抑制性に作用することを見出した。Deletion変異や点変異の検討から、N末側の機能ドメインがその役割に重要であることが示唆された。CDKAL1の過剰発現による脂肪分化抑制作用は、PPARγを抑制するWnt経路のβカテニンのタンパク量増加および下流の標的遺伝子の活性化によることが示唆された。ヒストンアセチル化酵素CBPが高脂肪食に伴う脂肪蓄積を制御する分子メカニズムを転写・エピゲノム修飾のレベルで明らかにする基盤技術としてゲノム上のヒストン修飾やクロマチン構造を検出するChIP-seqやFAIRE-seqの解析技術を確立し、脂肪細胞特異的な転写制御領域の同定と解析を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
研究計画に基づいて、Heb1発現の脂肪細胞内の代謝性ストレスによる制御御の検討、CDKAL1の脂肪蓄積・分化抑制作用における作用メカニズムの検討、CDKAL1トランスジェニックマウスの作成、脂肪細胞特異的な転写制御領域の同定など各プロジェクトともおおむね計画通りに進展している。
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今後の研究の推進方策 |
前年度の結果に基づき、引き続き当初の研究計画に基づいて研究を遂行する。
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