計画研究
薬物代謝は薬物体内動態を決定する重要な因子であり、代謝酵素活性の変動により生じる薬物間相互作用は臨床上大きな問題となっている。昨年までの研究では、リファンピシンを例に、薬剤による初代肝細胞での酵素誘導に対するキネティックモデルを構築し、各薬剤の体内動態の生理学的モデルとを連成させることで、臨床での薬物間相互作用がシミュレートできることを報告した。酵素誘導に関するモデルをより精緻化するために、DNAマイクロアレイの結果に基づきリファンピシンにより発現変動する遺伝子群を同定し、ゲノム上での転写因子結合領域を解析することによってリファンピシンに応答する転写因子群を見い出した。さらにDNAマイクロアレイデータを大規模に収集し構造方程式モデリングを行うことによって、その転写因子ネットワークにおける相互作用を定量化した。一方、薬物やイオン等の輸送のキネティックデータから速度論パラメータを抽出する非線形最小二乗法プログラムを開発した。これを小胞体カルシウム動態の解析に応用し、リアノジン受容体遺伝子変異による動態変動をシミュレートすることに成功した。さらに、非線形最小二乗法プログラムに遺伝的数式プログラミングのアルゴリズムを実装することによって、速度論パラメータに対する固定効果を自動探索するプログラムを開発した。その結果、薬物動態に個体間変動が生じる要因を体系的に探索できるようになり、母集団薬物動態モデル開発におけるプレスクリーニングを効果的かつ効率的に実施できるようになった。
26年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2015 2014
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 4件、 オープンアクセス 1件、 謝辞記載あり 2件) 学会発表 (6件) (うち招待講演 2件) 図書 (1件)
Journal of Pharmaceutical Sciences
巻: 104 ページ: in press
10.1002/jps.24232
Journal of Toxicological Sciences
巻: 40 ページ: 277-294
10.2131/jts.40.277
Journal of Controlled Release
巻: 194 ページ: 332-340
10.1016/j.jconrel.2014.09.011
巻: 194 ページ: 295-300
10.1016/j.jconrel.2014.09.015
Drug Delivery System
巻: 29 ページ: 417-425