計画研究
【活イオン液体および油の検討】活イオン液体|油界面では、油へのイオン移動ギブズエネルギーの大きい疎油性イオンを構成イオンにする必要があるが、概して疎油性イオンはイオンサイズが小さく、隣接イオン間の静電相互作用引力が大きいため、融点が高い傾向にある。そこで、融点が現実的な範囲(<~100℃)にあり、かつ、構成イオンが疎油性の活イオン液体を広く探索した。その結果、Mgグライム系の高濃度電解液がMgを活イオンとして高濃度に含み、かつ、融点が低いことが分かった。またこの電解液がトルエンと良好な相分離挙動を示すことも確認した。トルエンに還元剤を加えた場合には、液液界面においてMgが還元析出できることを見出した。ただし還元析出に伴って液液二相系に中間混合層が生成した。反応場を理想的に二次元にするためには、さらに相溶性の低い液液二相系を探索する必要がある。他の活イオン液体として、還元耐性の高い4級アンモニウムのCl塩の検討を開始した。イミダゾリウム系イオン液体で見られたイオン液体イオン自体の還元分解が起こらないことを見出した。
2: おおむね順調に進展している
今年度の目標であった、相分離する活イオン液体-油二相系の探索とMgの還元析出が、どちらも良好に進行したため
引き続き、活イオン液体|油界面におけるMg還元において、液液二相相分離と活イオン液体の還元耐性の観点から研究を進めていく。その成果を学会・論文で積極的に公表し、関連研究者からのフィードバックを得ていく。
すべて 2024 2023
すべて 雑誌論文 (10件) (うち国際共著 2件、 査読あり 10件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件)
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