研究領域 | 老化時計リバイバル機構の解明 -老化研究における新たなパラダイムシフト |
研究課題/領域番号 |
23H03836
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
木戸 丈友 東京大学, 定量生命科学研究所, 特任講師 (00401034)
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研究分担者 |
中野 泰博 金沢大学, がん進展制御研究所, 特任助教 (80755439)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | 線維化 / 筋線維芽細胞 / 肝星細胞 / 肝臓 / iPS細胞 |
研究実績の概要 |
線維化は、加齢性疾患や慢性炎症疾患に伴う組織障害に応答して全身臓器に現れる共通した病態であり、過剰な線維化は臓器本来の機能を障害し、がんの発生母地ともなることから、その制御法の開発は多くの疾患を克服するための鍵となる。臓器が異なってもコラーゲン線維を産生する細胞は、組織常在性の線維芽細胞が障害に応答して活性化したα-smooth muscle actin (αSMA)を発現する筋線維芽細胞である。本研究では、臓器を限定しない線維症の革新的制御法の開発に向けて、主要な臓器である肝臓・腎臓・膵臓の筋線維芽細胞を正常な状態へ戻す『組織線維化のリバイバル』について、細胞レベルで線維化誘導機構との関連性、臓器間の共通性・特異性を包括的に理解することを目的とする。 リバイバル機構の解析には、線維芽細胞、筋線維芽細胞、脱活性化線維芽細胞が必要である。しかしながら、αSMAやコラーゲンといった線維化マーカー分子を発現しない線維芽細胞を安定的に得られないことが、臓器線維症治療の研究において阻害要因となってきた。この課題に対して我々は、iPS細胞から活性化能を備えた静止期肝星細胞(線維芽細胞)を分化誘導する技術を開発した。さらに、肝星細胞の活性化マーカー遺伝子αSMAの下流にレポーター遺伝子を挿入したiPS細胞株を樹立し、レポーター遺伝子の発現を指標として、肝星細胞の活性化を定量的に評価することを可能にしている。これまでに、ヒトiPS細胞からオンデマンドで同一ロットの線維芽細胞、筋線維芽細胞、脱活性化線維芽細胞、老化線維芽細胞の調製方法を確立した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
組織線維化のリバイバル機構の解析に有用な線維芽細胞、筋線維芽細胞、脱活性化線維芽細胞、老化線維芽細胞をヒトiPS細胞からそれぞれ誘導することに成功し、1年度の目標を達成したため、おおむね順調に進展していると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
これまでに作製に成功しているヒトiPS細胞由来の線維芽細胞、筋線維芽細胞、脱活性化線維芽細胞、老化線維芽細胞を用いてRNAseq解析等を実施し、細胞レベルで線維化誘導機構とそのリバイバルについて分子機構を解析する。
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