研究領域 | マルチスケール4D生物学の創成 |
研究課題/領域番号 |
23H03845
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
杉 拓磨 広島大学, 統合生命科学研究科(理), 准教授 (70571305)
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研究期間 (年度) |
2023-04-01 – 2026-03-31
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キーワード | ライトフィールド顕微鏡 / 蛍光寿命イメージング |
研究実績の概要 |
本研究では周波数ドメイン方式のFLIMを採用し、これを独自のライトフィールド顕微鏡と統合することを目指す。目的の蛍光寿命が数ナノ秒の場合、それよりも少し長い周期をもつ正弦波(例:80 MHz = 周期12.5ナノ秒)で試料を励起する。蛍光寿命は蛍光分子が励起されてから蛍光を発するまでの時間であることから、励起光に比べ、蛍光寿命の分だけ蛍光の位相は遅れる。また、蛍光寿命が長いと、後の励起光により発光した成分と平均化されることになるため、振幅も小さくなる。したがって、励起光に対する蛍光の遅れをカメラで各画素ごとに検出することにより、位相遅れと変調を記録できる。そこで、まずカメラ感度の変調が40MHzまで可能なPCO社のCCDカメラと連続波レーザーとその変調器を用い、FLIM光学系の構築し、高分解能LF光学系を統合する。高分解能LF顕微鏡ではマイクロレンズアレイを利用することが特徴である。このマイクロレンズアレイを通して、撮影した二次元ライトフィールド(L F)像にはxy平面上の位置座標だけでなく奥行き(z軸)方向の位置座標も埋め込まれているため、1回のカメラ撮影で取得したLF像から独自の三次元再構成アルゴリズムによりミリ秒以下の速度で3D像の再構成が可能である。したがって、このマイクロレンズアレイをFLIM光学系のカメラセンサーの前段に配置する。これにより得られた蛍光寿命情報を三次元的に1回のカメラショットで取得可能になると期待した。結果的には、高分解能LF光学系の構築に成功し、さらにFLIM用カメラを導入するに至った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
独自の高分解能LF光学系が完成し、FLIM用カメラを導入したため。
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今後の研究の推進方策 |
令和5年度構築の光学系を用いて、まず蛍光寿命が既知の蛍光粒子を3D空間に固定した試料の蛍光寿命イメージングを行う。通常、三次元試料としてはアクリルアミドに蛍光粒子を固定した試料を用いるが、アクリルアミドの乾燥による縮小により長期間の利用が難しい。そこで申請者はポリジメチルシロキサン(PDMS)空間に蛍光粒子を固定することにより、長期間、繰り返し利用可能な三次元試料を開発した。本提案でもこの独自の三次元試料を用い、その蛍光寿命が既知の数字と一致するかを検証する。
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