研究領域 | 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― |
研究課題/領域番号 |
24101004
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
三宅 裕 筑波大学, 人文社会系, 教授 (60261749)
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研究分担者 |
松本 建速 東海大学, 文学部, 教授 (20408058)
前田 修 筑波大学, 人文社会系, 助教 (20647060)
小高 敬寛 東京大学, 総合研究博物館, 特任助教 (70350379)
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研究期間 (年度) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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キーワード | パイロテクノロジー / 土器 / 銅冶金術 / プラスター / 西アジア / 新石器時代 |
研究実績の概要 |
本年度もこれまでトルコ共和国において発掘調査を実施してきた、ハッサンケイフ・ホユック遺跡、サラット・ジャーミー・ヤヌ遺跡から出土したパイロテクノロジー関連資料を中心に、新石器時代の工芸技術について研究をおこなった。また、西アジアの新石器時代の他の遺跡から出土した関連資料についても収集を進め、比較検討をおこなった。 ハッサンケイフ・ホユック遺跡で確認されたフリント製石器の加熱処理については、温度管理の可能な電気窯を用いた実験と新石器時代に実際におこなわれた条件に近い野外での焚火による実験の結果を基に、加熱処理の要件と再現性について検討をおこなった。加熱温度が400℃を超えるとフリントが破裂してしまうため、温度管理としてはむしろ高温になりすぎないように注意する必要があること、250℃程度の温度では5時間程度加熱すると加熱処理の効果が十分に認められることが示された。熾火などで実現可能な比較的簡易な技術であったと言え、比較的低温での温度管理という点で石膏プラスターの製造や自然銅の焼鈍し技術とも通じるものがあることが明らかになった。 土器については、サラット・ジャーミー・ヤヌ遺跡の資料をはじめとする出現期の土器を対象に、プラスター製容器、土製容器など、土器に先行して出現する容器との技術的比較をおこない、併せて土偶などの土製品も対象に粘土利用の観点からも比較・検討をおこなった。また、顕微鏡観察に基づいて混和材のあり方についても分析を進め、混和された鉱物の特定のほか、非常に細かい植物繊維を含む土器は、反芻動物である家畜の糞が利用された可能性が高いことが改めて確認された。このほかにも、自然銅については300℃程度の加熱でその効果が得られることやプラスター製容器については粘土も混ぜて製作されている可能性が高いことなども確認することができた。
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現在までの達成度 (段落) |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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今後の研究の推進方策 |
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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