研究実績の概要 |
本研究計画は、前2千年紀のユーフラテス川中流域ならびにハブル川流域における書記教育、書記伝統、暦法、祭儀、政治、行政、ならびに新アッシリア時代の当該地域とその周辺の歴史的・文化的諸相の解明を課題に研究を進めてきた。 研究促進のため、これまでに、2013年12月、2014年12月、2016年3月に3度の国際会議を開催し、それぞれの成果を以下のタイトルで3冊のモノグラフとして公刊すべく計画を推進してきた。(1) S. Yamada and D. Shibata (eds.), Cultures and Societies in the Middle Euphrates and Habur Areas in the Second Millennium BC-I: Scribal Education and Scribal Traditions; (2) S. Yamada et al. (eds.), Neo-Assyrian Sources in Context: Thematic Studies of Texts, History and Culture; (3) D. Shibata and S. Yamada (eds.), Cultures and Societies in the Middle Euphrates and Habur Areas in the Second Millennium BC-II: Calendars and Festivals.これらのうち(1)は、ドイツのHarrassowitz Verlagから、今年度、2016年内に出版を終えた。他の2冊についても2017年内の出版に向けて準備中である。 こうした活動を通じて、特に前2千年紀初頭から前1千年紀前半にかけてのメソポタミアとシリアの各地における書記教育のカリキュラム、書字法の地方ごとのスタイルと伝統、同時期の各地の暦と月名の異同と相互関係、アッシリア帝国の政治、行政、領土、宗教、社会の諸相が明らかにされた。
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