研究領域 | 現代文明の基層としての古代西アジア文明―文明の衝突論を克服するために― |
研究課題/領域番号 |
24101012
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研究機関 | 筑波大学 |
研究代表者 |
八木 勇治 筑波大学, 生命環境系, 准教授 (50370713)
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研究期間 (年度) |
2012-06-28 – 2017-03-31
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キーワード | トルコの地震活動 / 震源過程 |
研究実績の概要 |
西アジアは、地殻変動が活発な地域であり、多くの大地震が発生している。これらの大地震は周辺の震源活動に大きな影響を及ぼす。例えば、1999年にトルコイズミットを襲ったM7.4の大地震、2003年に世界遺産バムを襲ったM6.7の大地震。2005年にパキスタンを襲ったM7.6の大地震と、近年においても数多くの地震が発生している。前触れもなく、破壊的な災害を引き起こす大地震という現象は、古代の西アジアの人々の人生観に強い影響を与えたと考えられる。一方で、西アジアでは地震計観測網が整備されておらず、豊富な地震学的な知識が必ずしも蓄積されているとは言えない。本研究では、過去の西アジアの地震活動を理解し、将来どのような地震が西アジアを襲う可能性があるのかについて議論することを目的に研究を行う。特に、西アジアのプレート内地震(プレートの内部で発生する地震)では、複雑な破壊伝播過程が存在することが知られている。本研究では、何故、複雑な破壊が発生するのか、その理由について迫ることを目的に研究を行った。今年度は、西アジアで発生した地震活動のレビューを行った。本研究を滞りなく遂行する為に、現地の名門大学であるイスタンブール工科大学のTaymaz教授と共同研究として行う。その為に、同教授を筑波大学に招聘し、研究内容について議論を重ねた。また、研究代表者である八木がトルコに出張し、資料の収集と、震源過程解析の研究を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
PDの雇用は、25年度に持ち越されたが、当初予定していた、西アジアで発生した地震活動のレビュー、手法解析については、滞りなく行うことができた。
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今後の研究の推進方策 |
1990年代以降は、全世界で高精度な地面の揺れの記録できある地震波形が収録されている。これらの波形を使用して、地震時にどのような破壊が発生したのか、その過程(震源過程)調べる。一般に、西アジアで発生する地震は、複雑な震源過程を有していることが知られている。このような複雑な震源過程を有する地震を解析するために、応募者らが開発している、モデルの不確定性と断層形状の不確定性を考慮した震源過程解析手法を用いる。また、得られた震源過程モデルから、現地での強震動を計算して、西アジアで発生する地震動の特徴について議論する。これらの解析結果については、学術雑誌に投稿する。一方で、西アジアの遺跡に残されている地震の痕跡を調査して、それから予想される震源過程モデルについても議論を行う。
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