計画研究
本研究では,対数領域計算モデルでの非自明な下界の確立に向けて強力な解析技法の開発をめざした.具体的には,読み出し専用の配列上に与えられた数値大列に対して,各要素に対して上位の直近要素を求める問題を基本として,最短経路問題に代表されるグラフ問題や幾何的最短経路問題などに適用した.最も最近の結果としては,少ないビット数で深さ優先探索を実行する方法を開発した.また,最長増加部分列に対する省メモリアルゴリズムの開発も行った.既存のアルゴリズムではO(n log n)ビットを用いてO(n log n)時間の時間がかかっていたが,我々が開発したアルゴリズムによるとO(√n log n)ビットだけを用いてO(n^3.5 log n)時間で実行できる.また,最短経路問題に関しては,格子グラフ上でほぼ√nのメモリだけをもちいて √nx√nのサイズのグラフ上での最短経路問題を多項式時間で解くアルゴリズムを開発したが,その結果を平面グラフの族に拡大し,これもほぼ√nのメモリだけを用いて最短経路を求める方法を開発した.この結果は世界で最初の画期的なものであり,高く評価されている.また,計算量下界の解析手法検討の領域全体の共通の課題として提案した.一般のグラフでの最短経路問題には有力な下界が証明されているため,具体的な問題として,どのようなグラフ族を対象にすればよいかを詳細に検討した上で課題提供を行い,他班と共同で様々な解析技法の適用を試みた.制約されたメモリモデルについても,従来から作業領域を入力サイズの対数程度に制限したシナリオ(対数領域計算モデル)だけに限定することなく,アルゴリズムの実行時に利用可能なメモリを最大限に利用して,そのメモリ制約の下で最も効率の良いアルゴリズムを開発することを目指すというシナリオについても研究を進めた.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016
すべて 雑誌論文 (7件) (うち国際共著 7件、 査読あり 7件、 オープンアクセス 7件、 謝辞記載あり 5件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 5件) 図書 (1件)
Computational Geometry: Theory and Applications
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
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DOI:10.1007/s00453-016-0234-8
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