計画研究
本研究課題は、多孔性金属錯体の骨格に「機能性分子ユニット(FMU)」を合理的に配置し、FMUs が形成する空間においてゲスト分子とFMUs間の相互作用、並びにゲスト分子とFMUsの構造と電子状態変化が連動した高次機能の創発を目的とする。目的の達成のために、多孔性錯体材料 {Fe(pz)[Pt(CN)4]G} ((1); pz = pyrazine, G = guest molecule) を基軸化合物として、① FMUsとゲスト分子の相互作用による物性の制御、② FMUsおよびゲスト分子の構造と電子構造変化による機能発現および ③ 脂質二重層膜との複合化を推進した。①では、精密構造解析と理論計算から、ゲスト分子が NO の場合のホスト-ゲスト相互作用を詳細に検討し、ゲスト吸着によるスピン状態変化の連動機構を検討した。また、pz を 脱離可能な水に変えて構造を2次元系にすることで、ゲスト応じたゲート吸着特性の発現と構成金属イオンによるゲート圧の制御にも成功した。②では、化合物(1)の Pt を Pd に変えた類縁体において、40K 以下で吸着された水素が速やかにオルト-パラ変換を起こすことを見出した。この変化をラマンスペクトルと粉末X線回折の同時測定により追跡し、MEM法により精密構造解析を行い、細孔内に生じた電場勾配により細孔内において水素分子の配列が大きく変わり、その際にオルト-パラ変換が誘起される機構を示した。③では、抗生物質によりリポソームに膜チャネルを形成し、リポソーム内水相においてプルシアンブルー (PB) および Tb 錯体の直接合成に成功した。PB に関しては、TEM および共焦点レーザー顕微鏡観察より、内包を確認した。この手法により、リポソーム内水相での金属錯体の直接合成、並びに脂質二重層膜の特定部位への逐次的な機能性分子の組み込みを実現した。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件) 学会発表 (17件) (うち招待講演 1件) 備考 (2件)
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