有機テルル化合物の光活性化において、光量を調整することで官能性化学種であるラジカルの発生濃度の制御に成功した。例えば光量の調整により、リビングラジカル重合からラジカルカップリング反応への選択的な反応スイッチを達成した。さらに、効率的なラジカル発生法の延長により、従来のラジカル重合の停止機構の定量的な解明に成功した。すなわち、アクリレートの重合停止では、教科書では結合反応と記載されているのに対し、選択的に不均化反応が進行することを明らかにした。また、スチレンの重合停止では、溶媒の粘性により選択性が大きく変化し、結合反応から不均化反応へと、溶媒の粘度により機構が変化することを明らかにした。
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