計画研究
(1)「有機ラジカルEL」の発光種である励起TMMビラジカル(T-2・・*)の前駆体となる1-,ないし2-ナフチル置換したメチレンシクロプロパン(1)の低温および室温における発光波長の特異性について,詳細に検討した.その結果,ラジカルカチオン状態での開環反応性に違いがあることを見出し,実験と計算化学からその原因をシクロプロパン環のσ軌道とナフタレンのp軌道の相互作用の大小にあることを明らかにした.(2)励起TMMビラジカル(T-2・・*)を,分子間光誘起エネルギー移動反応と光照射で発生させる研究を行った.具体的には,三重項増感剤としてベンゾフェノン(BP)を用い,新規メチレンシクロプロパン誘導体(1)とのエネルギー移動反応によりT-2・・を発生させ,さらにその光励起を行い,T-2・・*の光化学および光物理特性を,シングルおよびダブルレーザーフラッシュフォトリシスを用いて解析した.これにより,新たな「励起状態C-C結合開裂―発光」系が開拓できた.(3)二つのジフェニルアントラセンをかご型化合物により連結したダイアドを新たに合成し,その三重項―三重項消滅アップコンバージョン発光効率について検討した.(4)ヨウ素置換ジアロイルメタナートボロンジフロリドの結晶は,有機物としては珍しい室温でりん光を発することを見出し,その理由を結晶構造と理論計算から明らかにした.(5)以上に加え,A01班では3名,A02班では5名の各先生と,ビラジカル発光の理論的評価,光反応機構解析,カルベン寿命評価,結晶の発光寿命解析などの共同研究を進めた.
28年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2017 2016 その他
すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (17件) (うち査読あり 17件、 謝辞記載あり 17件) 学会発表 (5件) (うち国際学会 4件、 招待講演 3件) 備考 (1件)
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