計画研究
本研究では、高周期典型元素を中心とした小分子活性化触媒の開発を目的としている。まず目的とする高周期14族元素化学種の一つであるNHCが配位したカチオン性ケイ素化学種の合成を検討したところ、1,2-ジブロモジシレンAr(Br)Si=Si(Br)Arを低原子価ケイ素等価体として用いることで、NHC配位子を有するカチオン性ケイ素二価化学種[Ar(NHC)2Si:]+の合成に成功し、その特異な電子状態を明らかにした。また、P=C二重結合を配位部位としたP,P-キレート配位子に関する研究を発展させ、さらに高いπ受容能を持つトリホスファ[3]ラジアレンの遷移金属配位子としての応用を検討した。実際に6族や10族の遷移金属に対し単座・二座型での配位が可能であることを確認でき、予想通り優れたπ受容性配位子として働くことを示唆する結果を得た。また、ゲルマニウム触媒への展開が期待される感応性化学種であるゲルマニウム間三重結合化学種ジゲルミンとアルキン・アルケンとの反応を検討し、アセチレンとの反応において初めての1,2-ジゲルマベンゼンの合成に成功し、その芳香族性を明らかにすることができた。ゲルマニウム低配位化学種による結合活性化に対する新しい知見を得るとともに、芳香族性の概念を拡張する重要な結果であると考えている。またジゲルミンとアセチレン類との反応の際に、アセチレンが環化三量化しベンゼンを与えるという反応を見出し、かつジゲルミン由来の中間体が触媒的に作用していることを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (15件) (うち国際共著 1件、 査読あり 15件、 謝辞記載あり 15件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 6件、 招待講演 4件) 備考 (3件)
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