研究実績の概要 |
本研究では領域内の実験グループとの共同研究を一層活性化することを目的とし、量子化学計算による酵素触媒反応種の状態変化と活性制御に関する理論的研究を実施している。本年度は、酵素触媒反応種の状態変化と活性制御を目指す事を重点課題とし量子化学計算による理論研究を進めた。その結果、研究代表者グループ独自の研究として、二核モリブデン錯体によるアンモニア合成の反応機構(Nature Commun., 5, 3737/1-11 (2014), J. Am. Chem. Soc., 136, 9719-9731 (2014), Angew. Chem. Int. Ed., 53, 11488-11492 (2014))、ゼオライト担持二核銅構造による一酸化窒素の還元機構(ACS Catal., 4, 2075-2085 (2014))、酵素反応のミューテーション解析(Bull. Chem. Soc. Jpn., 87, 950-959 (2014))などについての新たな知見成果を得た。また、小澤、小島、金川ら領域内の実験研究者との共同研究をった。それぞれ、ピンサー錯体によるN-H結合の切断機構、多核ルテニウム錯体の構造と反応性、金属錯体の光電磁気物性等に関する詳細な理論解析を行い、実験研究者との共同研究を通じて有意義な成果を挙げることができた。その他に領域内外の多くの実験研究者との連携研究を活発に実施することができた。それらの成果は来年度発表する予定である。
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