計画研究
1)大気試料の組織的捕集と放射能分析:福島県浪江町の高線量率地域にて大気浮遊塵、降水サンプラーで観測を継続。分析は気象研、東工大、茨大で実施。さらにA04-8班の大阪大と連携し580試料以上を分析。Cs濃度の変動状況を調べた。2)一次放出の解明:A03-5班の筑波大や公募班の東京理科大と連携し、浪江地区の表土などから引き続き不溶性高比放射能Cs粒子を抽出、SEM-EDS,SPring-8でのμX線分析で性状解明を進めた。土壌から得た粒子は、大気試料から得たCs粒子と同様シリカを主体とした組成をもつが、Cs同位体比測定や土壌採取地点の放射性物質のバルク測定から推定される発生源の違い(1号炉なのか2号炉なのか等)に応じ、比放射能、形状や微量元素組成に違いのあることがわかった。3)二次放出の解明: A03-6班と連携し金沢大の専門家を研究協力者に加えて、引き続きバイオエアロゾルに関する観測を実施した。DNA解析の結果から、大気試料では担子菌起源のバイオエアロゾルが主体を占めており、降水試料では子嚢菌起源のバイオエアロゾルが顕著に検出されることが示された。また、光学顕微鏡で計数した有色胞子個数とCs-137濃度との間に相関が見出され、真菌類胞子のCs再飛散に関する重要性が確認された。4)大気モデルの精度向上・再飛散モデル化:表土粒子飛散メカニズムを組み込んだ1D放射能飛砂モデルと新規の森林放出スキームを組み込んだエアロゾル化学輸送モデルによりCs再飛散に関し収支解析を行った。北緯34-39°、東経138-143°の領域でCsの再飛散量は1.28TBqで陸域沈着量2.68PBqの0.048%に相当し、このうちの17.2%の0.22TBqが主に東北地方に際沈着すると計算された。従って陸域のCsの消失に再飛散はほとんど寄与しないことが示された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (1件) 雑誌論文 (11件) (うち国際共著 1件、 査読あり 11件、 オープンアクセス 10件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (40件) (うち国際学会 20件、 招待講演 2件) 図書 (1件) 備考 (1件)
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