加齢に伴い細胞老化の特徴を示すCD4+ T細胞、SA-T細胞、を発見した。SA-T細胞は、老化関連遺伝子の発現と老化随伴性分泌形質を有し、細胞分裂能の欠質と強い向炎症性因子分泌活性を示した。SA-T細胞はT細胞生成の減少に伴う恒常性増殖による反復性細胞分裂の結果として生成し、自己反応性と強い起炎活性によって、免疫老化形質の主因となる。同細胞は、ループス素因や組織ストレスによっても急増し、全身性自己免疫病や代謝ストレスによる内臓脂肪織炎と糖尿病の発症などを誘導することが示された。本研究により、SA-Tが自己免疫疾患や加齢に伴う慢性組織炎症の発症に重要な役割を果たすことが明らかとなった。
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