ユビキチンは標的タンパク質を多様な様式で修飾することで、タンパク質分解のみならずタンパク質輸送やシグナル伝達など多彩な生命現象を制御している。本研究では、質量分析計を用いたユビキチン鎖の高感度絶対定量法やユビキチン化基質の網羅的同定法の開発に成功し、領域内で見出された様々な重要基質の解析に応用した。また、ユビキチン修飾系のデコーダー分子であるユビキチン結合タンパク質を網羅的に解析し、細胞内におけるユビキチン鎖の使い分けを明確にすると共に、ユビキチン選択的シャペロンp97とシャトル分子Rad23/Dsk2を介した間接的な経路がプロテアソーム依存的タンパク質分解の主要経路であることを明らかにした。
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