計画研究
1. 新規Odf2関連基底小体アペンデージタンパク質の探索:平成25年度からの解析の中で、マウス基底小体成分の単離・解析、特にOdf2関連因子について、免疫沈降法で、探索・解析を進めた。2. Odf2関連アペンデージタンパク質の機能解析:1で同定されたアペンデージタンパク質の抗体の作製やノックダウン/ノックアウト細胞の作製、その解析を進めている。3. 基底小体と細胞膜との結合の分子基盤の解析:基底小体と細胞膜との結合に不可欠なOdf2のドメイン解析を行った。4. ベーサルフットと細胞表層細胞骨格・細胞接着系相互作用の解析:微小管、アクチン繊維との結合のあるOdf2関連タンパク質について、多繊毛細胞基底小体の動態から解析した。5. Odf2変異マウスでは、腸管の肥大などの表現型を示す。Preliminaryな解析結果では、Hirschspring病様の変化を示す。このことは、腸管の発生にともなう神経遊走に、Odf2が何らかの重要な機能を担う可能性を検討したが、ネガティブな結果が得られた。他の原因を探索中である。
2: おおむね順調に進展している
1.新規基底小体アペンデージタンパク質の同定および解析を進めてきた。データベース解析も利用し、繊毛の根元となり、繊毛の軸糸が伸長を始める基底小体のアペンデージ、に局在するOdf2タンパク質に直接間接に結合し、タンパク質複合体をつくる一連のタンパク質を解析した。その結果、CP110、Cep164などとのDIPs(Distal appendage proteins)との総体的な関係を調べることができた。また、Odf2完全欠損マウスについては、マウス系統の樹立を進めてきた。2. Odf2のEx4,5に相当するドメインは、基底小体と細胞膜との結合には 不可欠ではないが、ベーサルフットの形成には不可欠であることなどを明らかにした。3. Hirschspring病様の腸管形態形成異常は、腸管の発生にともなう神経遊走に、Odf2が何らかの重要な機能を担う可能性を検討したが、ネガティブな結果が得られた。表現型に再現性は認められるので、他の原因を探索中である。
本年度の平成26年度の成果をさらに発展させる。1. 新規Odf2関連基底小体アペンデージタンパク質の探索:新規Odf2関連基底小体アペンデージタンパク質の同定・解析を発展させる。複数のOdf2および基底小体結合タンパク質、ならびに、微小管結合タンパク質を見出している。新規タンパク質について、Odf2/基底小体/微小管との結合における機能的重要性や、基底小体の配向・整列・アピカル膜へのターゲティングにおける役割などを解析する。2. Odf2変異マウスおよびノックアウトマウスおよびその初代培養細胞を用いた系において、Odf2の生体および細胞レベルでの機能解析を進める。Odf2変異マウスでは、Odf2の完全ノックアウトマウスでは、コンディショナルノックアウトマウスを用いた初培養細胞系の確立と解析により、Odf2の細胞レベルでの機能解析も行う。3. Odf2の担う基底小体の整列における役割について解析を進める。特に、すでに系が確立しているマウス気管の初代培養・空気液体相培養法(ALI:Air Liquid Interphase)を用いて、アピカル膜の構築についての経時変化(成熟)について、解析する。これまでの解析から、多繊毛/基底小体整列における微小管・中身体系の重要性につちえは知られているが、アクチンなど他の細胞骨格については、その関連タンパク質を含め十分な解析が存在しない。本項では、こうした解析も加えて進める。
すべて 2015 2014 その他
すべて 雑誌論文 (10件) (うち査読あり 10件、 オープンアクセス 2件、 謝辞記載あり 4件) 学会発表 (21件) (うち国際学会 7件、 招待講演 8件) 備考 (3件)
J Exp Med.
巻: 212 ページ: 267-80.
10.1084/jem.20140508.
Science
巻: 347 ページ: 775-8.
10.1126/science.1261833.
Hepatology.
巻: 61 ページ: 1660-71
10.1002/hep.27565.
PLoS One.
巻: 9 ページ: e105435
10.1371/journal.pone.0105435.
巻: 9 ページ: e105423
10.1371/journal.pone.0105423.
Science.
巻: 344 ページ: 304-7
10.1126/science.1248571.
Nephrol Dial Transplant.
巻: 29 ページ: 1168-77
10.1093/ndt/gft469.
Genes Cells.
巻: 19 ページ: 803-20
10.1111/gtc.12179.
Gastroenterology.
巻: 147 ページ: 1134-45.e10.
10.1053/j.gastro.2014.07.033.
J Mol Biol.
巻: 427 ページ: 291-7.
10.1016/j.jmb.2014.10.020.
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/labs/tsukita/
http://www.fbs.osaka-u.ac.jp/
http://www.med.osaka-u.ac.jp/jpn/outline/