研究実績の概要 |
①ノード細胞へ前後の極性を与えている位置情報の実体: ノード細胞を極性化している位置情報が、体の前後に沿ったWnt5a/b活性の勾配であることを明らかにして、論文としてまとめた(Minegishiet al., Dev Cell, 2017)。 ②基底小体が細胞の後側へ移動する機構: 種々のinhibitorを用いた実験から、基底小体が移動する際には、アクトミオシンが関与することが示唆された(未発表)。 ③ノード繊毛が運動性を獲得する機構: ノード繊毛が特異的に運動性を失う変異を探索した結果、2~3の変異を同定した。そのうちの1つの原因遺伝子については、機能を解析し、なぜノード繊毛だけが運動性を失うのかが明らかになった(H30年度中に完成させる予定)。 ④ノードが時計方向の回転を行う機構: 繊毛軸糸のダイニンの活性化をライブで可視化するための遺伝子改変マウスを作成した(進行 中)。 ⑤ノード脇の不動繊毛が水流を感知する機構:ノードの不動繊毛内のCa2+を観察する実験系を確立し、左右非対称なCa2+のoscillationを検出することに成功した。 ⑥水流を感知したことで、Cerl2mRNAが崩壊する機構: Cerl2の3'-UTR配列内に水流に反応する配列(FRE)があること、FREの水流に対する反応にはCa2チャネルが必要なことを明らかにした(2019年度に論文として完成予定)。
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