計画研究
神経細胞が正常に機能するためには細胞骨格、モータータンパク質によるタンパク質、小胞の輸送、神経突起内の軸索輸送が重要な役割を果たしている。逆に細胞内物質輸送の破綻は中枢神経系の形成不全や神経変性疾患の原因となっている。我々はこれまで滑脳症の原因遺伝子・LIS1の機能解析に取り組み、LIS1が代表的なモータータンパク質である細胞質ダイニンの重要な制御因子であることを明らかにしてきた。本計画において我々は細胞質ダイニンの活性化因子として低分子量G蛋白質であるRabファミリーのRab6を同定した。特にRab6はLIS1を細胞質ダイニン複合体から遊離させ細胞質ダイニンのモータータンパク質活性を再開させることを証明した。また、中心体特異的なタンパク質として脱リン酸化酵素・PP4、キネシンのアダプタータンパク質であるNUDCとそのファミリータンパク質の機能を明らかにするためにノックアウトマウス作成を行った。これら5つの遺伝子に対してノックアウトしたES細胞の樹立に成功しキメラマウスの作成を行っている。特にNUDCとNC3の遺伝子についてはキメラ率の高いキメラマウスの作成に成功している。
2: おおむね順調に進展している
細胞質ダイニンの活性化因子として低分子量G蛋白質であるRabファミリーのRab6を同定した。特にRab6はLIS1を細胞質ダイニン複合体から遊離させ細胞質ダイニンのモータータンパク質活性を再開させることを証明した。また、中心体特異的なタンパク質として脱リン酸化酵素・PP4、キネシンのアダプタータンパク質であるNUDCとそのファミリータンパク質の機能を明らかにするためにノックアウトマウス作成を行った。これら5つの遺伝子に対してノックアウトしたES細胞の樹立に成功しキメラマウスの作成を行っている。特にNUDCとNC3の遺伝子についてはキメラ率の高いキメラマウスの作成に成功している。
細胞質ダイニンからダイナクチン複合体を遊離させ、細胞質ダイニンからカーゴを荷降ろしさせる因子の同定と機能解析を行う。中心体特異的なタンパク質として脱リン酸化酵素・PP4、キネシンのアダプタータンパク質であるNUDCとそのファミリータンパク質の機能を明らかにするためにノックアウトマウス作成し表現形を解析する。特にNUDCはキネシンのアダプタータンパク質として形態形成に必須のタンパク質の細胞内局在を制御していることが期待される。またPP4は中心体からの微小管ネットワークを制御しており特に神経管の閉鎖における役割が期待される。
すべて 2013
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 4件)
Elife
巻: 2 ページ: -
10.7554/eLife.00133
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巻: 3 ページ: -
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