計画研究
シロイヌナズナの一次細胞壁を合成するセルロース合成装置複合体が,どこでいつ集合するのかを明らかにするため,各サブユニット間の共局在解析やFRET解析等のイメージング解析を計画しており,現在そこで用いる様々な可視化ラインの作製を進めている.今年度は,5ライン程度の作出が完了した.また,細胞壁の合成過程におけるエキソサイトーシスのリアルタイム可視化を目指し,FRET probeの開発を進めた.SNAP33に蛍光タンパク質を融合したプローブ候補を多数作製し,Qa-SNAREと共発現させた際のFRET効率を測定した結果,効率よくFRETが起こる候補を得ることに成功した.セルロース合成酵素複合体の動態の超解像ライブイメージング解析においても進展があった.CESA分子とクラスリン被覆,ダイナミンなどエンドサイトーシスに関わる分子の二重超解像可視化により,合成酵素複合体がダイナミン依存的なエンドサイトーシスにより細胞内へと取り込まれることを証明した.さらに,エンドサイトーシスされたCESAが細胞膜へとリサイクルされる過程で,いくつかのリン脂質が異なるステップで機能していることを明らかにした.膜交通が細胞壁の形成と機能維持にいかに関わるのかを明らかにするため,膜交通に損傷を持つ変異体の解析も進めた.エンドサイトーシス経路と液胞輸送経路に異常を持つvps9a-2変異体における細胞壁の異常の原因が,ペクチンの異常な配置と蓄積に関連していることを明らかにした.
2: おおむね順調に進展している
研究計画に沿って順調に研究が進行している.イメージング解析では興味深いデータが蓄積するとともに,新しい可視化ツールの開発も進んでいる.
引き続き,バイオイメージングを主な手法として用い,細胞壁と膜交通の関連を解析してゆく.膜交通に損傷を持つ変異体の細胞壁の解析については,進化細胞生物学的な視点を持ち込むべく,ゼニゴケの変異体の解析も並行して行う.
すべて 2014 2013
すべて 雑誌論文 (14件) (うち査読あり 13件) 学会発表 (1件) (うち招待講演 1件)
Plant Cell Phys.
巻: 55 ページ: 672-686
10.1093/pcp/pcu046
Plant Cell
巻: in press ページ: in press
Plant Signaling & Behavior
巻: 未定 ページ: e28466
10.4161/psb.28466
Eukaryotic Cell
巻: 未定 ページ: in press
10.1128/EC.00330-13
巻: 55 ページ: 781-789
10.1093/pcp/pcu038
巻: 55 ページ: 811-822
10.1093/pcp/pcu020
巻: 55 ページ: 694-703
10.1093/pcp/pcu010
植物科学の最前線(BSJ-Review)
J. Exp. Bot.
巻: 64 ページ: 5553-68
10.1093/jxb/ert322
Nat. Commun.
巻: 4 ページ: 2613
10.1038/ncomms3613
巻: 54 ページ: 1648-1659
10.1093/pcp/pct109
巻: 無し ページ: e25377
10.4161/psb.25377
巻: 64 ページ: 2817-29
10.1093/jxb/ert125
Plant Phys.
巻: 162 ページ: 663-674
http:/ / dx. doi. org/ 10. 1104/ pp. 113