計画研究
本研究の目的は植物細胞壁の分子動態を発生過程や刺激応答などの時間軸と、組織パターンや細胞極性などの空間軸に沿って解剖することにより,植物細胞壁が多元的な情報処理機能を発揮するメカニズムを解明することである。(1) アメリカネナシカズラを人工気象器内でシロイヌナズナまたはタバコを宿主として寄生させ、生育、開花、採種させる実験系を確立し、純系統を確立することに成功した。この純系統を用いて全ゲノム53,227 遺伝子モデルの解読を終えた。更に、吸器形成過程を追って組織特異的な遺伝子発現をRNAseq法により包括的に解析して発現プロファイルデータベースを作成した。このデータベースを用いた解析の結果、吸器形成時の成長に核内倍加が関与し、その制御を担う遺伝子としてCCS52Aを同定し、更に、この過程がエチレンにより制御を受けることを解明した。また、吸器の道管分化に係わる一群の候補遺伝子を特定した。(2)シロイヌナズナのXTHファミリーの中の進化的に基部に位置するサブファミリーに属するAtXTH3の酵素機能を、組み換え蛋白質を用いて、酵素化学的に解析した。その結果、この酵素が非結晶性のセルロース微繊維をドナー基質として、それをアクセプター基質であるセルロースオリゴ糖に転移することを見出した。この酵素活性を申請者はCellulose Endo Transglycosidase(CET)と命名した。(3)共発現データの質の多角化を行い、信頼性を向上させた。大規模ファミリーの解析ツールを充実させてATTED-IIに実装した。更に、異種生物種間の共発現データの比較のための共発現指標の改良、サンプル分布比較法の開発を行ない、細胞壁合成遺伝子の共発現ネットワークが系統特異的に変化していることが検出可能になった。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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Scientific Reports
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