研究概要 |
細胞レベルの解析(1)と組織レベルの解析(2)を並行して実施した。(1-1)細胞板拡大に関して、分裂中期の細胞表層におけるアクチン繊維の分布を薬理学的に攪乱させることで紡錘体・フラグモプラスト・細胞板のいずれもが赤道面に対して傾斜し、異常な細胞分裂面を形成することを見出した(Kojo et al. 2013, Plant Cell Physiol.)。また関連の共同研究として、橋本班と高浸透圧ストレスによるチューブリンの脱重合に対するチューブリンリン酸化酵素PHS1の重要性の実証(Fujita et al. 2013, Curr. Biol.)を掲載した。(1-2)細胞板形成初期に関して、笹部班と協同で細胞板形成過程の微小管、輸送小胞、キネシン様タンパク質NACK1の解析を進め、GFP-NACK1の細胞板への集積画像などの成果を得ている。また関連の共同研究として、新規の膜輸送因子PATROL1の機能解析を実施し、PATROL1がAHA1の細胞膜への局在に必要な因子であることを示した(Hashimoto-Sugimoto et al. 2013, Nature Commun.)。(2-1)葉表皮細胞の人為的変形と細胞形態の組織レベルでの評価に関して、葉表皮組織の発育段階とセルロース分解酵素処理濃度に応じた表皮細胞壁の形状を大規模に(全45枚の子葉で >38,000細胞)解析した。(2-2)表皮組織の細胞ネットワーク構造の可視化と信号伝達シミュレーションに関しては、(2-1)で述べた全45枚の子葉表皮細胞連結様式をグラフ構造として評価し、可視化を実施した。(2-3)葉表皮細胞における表層微小管動態に関しては、(2-1)により細胞壁の湾曲が高頻度で起こる条件を検討し高解像度の連続光学切片像を取得した。
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