植物の細胞壁は多様な高分子物質が互いに作用しあった複雑な構造を有しており、詳細は明らかになっていない。細胞壁を構成するそれぞれの成分は細胞の酵素によって合成された後、自己組織化によって複合化することで細胞外に複雑な細胞壁構造を構築する。一方、細胞壁を栄養源として生育するきのこ等の生物は自身が生産する分解酵素により細胞壁の複雑な構造を分解することで、栄養を獲得している。そこで本研究ではこれらの生物が有する酵素と細胞壁を構成する成分の組織化との関係性を顕微鏡技術や生化学技術によって明らかにし、複雑な植物細胞壁の理解、利用に向けた知見を得た。
|