本研究では、植物細胞外空間の低分子信号物質の移動経路としての役割を明らかにすることを目的とした。特に、植物ホルモンとアレロケミカルの機能を併せ持つストリゴラクトンに焦点を当てた。まず、カーラクトンと呼ばれるカロテノイド由来の化合物がストリゴラクトン生合成中間体であること、カーラクトンはシロイヌナズナにおいてカーラクトン酸に変換されることを明らかにした。次に、カーラクトン酸のモノヒドロキシ体が種々の植物の道管液中(植物細胞外空間)に存在することを見出した。以上の結果から、カーラクトン酸のモノヒドロキシ体はストリゴラクトンの移動形態の一つであると推定される。
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