研究概要 |
・ヒトの対レトロウイルス防御タンパク質であるAPOBECK3Gと、それに対するHIVの抵抗タンパク質Vifの共進化動態がウイルス突然変異率とVif/A3G発現量の共進化サイクルをもたらすことを理論的に示した(ESMTB 2014, Gothenberg) ・季節性インフルエンザの新系統について、出現時期と流行時期が1年遅れることが期待されることを理論的に明らかにした(J Theor Biol. 239:32-38, 2013) ・新型インフルエンザなどの首都圏交通ネットワーク上での流行確率が、最初の感染者の居住地と勤務地の集団サイズでほぼ決まることなどを解明した(PLOS ONE, in press) ・エンテロウイルス71の感染細胞の半減期(Log2/a)、ウイルスのバーストサイズ(k/a、1個の感染細胞が生存する間に放出するウイルス粒子数)、基本再生産数(R0 = βkq/ar、一つの感染細胞から次に新たに感染 細胞となるその数)を表出するモデルを構築した(J Virol. 87:701-705, 2013) ・HIV-1感染ヒト化マウスのウイルス学的時系列解析より、急性感染期においては制御性T細胞(Treg)がHIV-1の主たる増殖の場となっていること、ウイルスアクセサリ蛋白質であるVprはその細胞周期G2/M期停止とアポトーシス誘導作用によりTregへの感染とその枯渇を促進する役割を担っていることがわかった(PLoS Pathog, 10.1371, 2013) ・HIVを抑制する宿主因子であるAPOBEC3GのHIV-1制御のなかでC-to-U mutationによるものは99.3%も達するが、 同じHIVを抑制する宿主因子であるAPOBEC3FのC-to-U mutation活性以 外よる抑制は30.2%もあることがそれぞれの変異体のデータを基にBliss independence解析モデルを用いた数理解析手法よりわかった(J Virol. 88:5881-5887, 2014)
|