計画研究
本年度の実績として、前年度確立した、ヒト死後脳の高深度全ゲノム解析データからの体細胞変異検出とアンプリコンシークエンシングによる独立した実験手法による検証実験系を、統合失調症関連障害に関して不一致な一卵性双生児血液試料に適用した。双生児試料は計4組の血液由来ゲノムDNAを用いたエクソーム解析データを用いた。その結果、1組の双生児において合計6カ所の体細胞変異の同定に成功した。3%以上とアレル頻度の高い変異箇所に関しては、パイロシークエンシング法による追試にも成功した。これらのアレル頻度の高い体細胞変異は、発生初期に生じ様々な臓器で共有されていると考えられ、双生児間の表現型差異に貢献している可能性が考えられた。脳神経系ゲノムのエピゲノム解析からは、これまで取得したデータを基に、特にトランスポゾン関連配列に着目したメチル化及びハイドロキシメチル化解析を行った。進化的に新しLINE-1サブファミリーほどDNAメチル化率が低く、ハイドロキシメチル化レベルが上昇することを見出した。この傾向は神経細胞で顕著に認められ、public databaseを利用した解析でも追試できた。一方で、肝臓試料ではこのような傾向は認められなかった。また、reduced representative bisulfite sequencing法による網羅的メチル化解析データを用い、双極性障害患者神経細胞および非神経細胞でのトランスポゾン配列におけるメチル化差異を健常者と比較検討したところ、GABA神経系関連遺伝子群近傍のトランスポゾン配列に統計学的に有意なメチル化差異が検出され、病態との関連が示唆された。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 4件) 備考 (1件)
Clinical Epigenetics
巻: 9 ページ: -
10.1186/s13148-016-0307-1
Psychiatry and Clinical Neurosciences
巻: in press ページ: -
10.1111/pcn.12496
Neuroscience Research
10.1016/j.neures.2017.02.005
https://www.molbrain.com/