計画研究
ビブリオ(Vibrio)種は、海洋環境に生息するグラム陰性細菌である。ヒトおよび動物の病原体として知られているほとんどのビブリオ種は非常に高い運動性をもつ。低温電子断層撮影法(cryo-ET)により多毛になったビブリオ菌極毛変異体をもちいることで多くの画像を取得可能になり、詳細なべん毛モーター構造モデルの作成を行った。べん毛繊維を囲んでいるシースにべルトのようなリング状の構造が観察され、これをSリングと名付けた。ビブリオ特異的モーター構造において、MotXとMotYから構成される T-リングが13回対称性を有することを示した。これまで詳細に研究されているサルモネラ菌とビブリオ菌のモーター構造の比較することができた。べん毛モーターは時計回り(CW)と反時計回り(CCW)の両方向で回転することができる。ナトリウムイオン駆動型ビブリオ菌モーターでは、2種類の膜タンパク質(PomA, PomB)から構成される固定子と、3種類の可溶性タンパク質(FliG, FliM, FliN)からなる回転子との相互作用によって回転力が作られる。FliGとPomAの相互作用面が変化することによって回転方向が切り替わると考えられている。べん毛の回転方向切り替えの際にFliGがどのように構造構造変化するのかを、回転方向制御に異常がみられる変異体の取得とその解析によって明らかにした。枯草菌のナトリウムイオン駆動型べん毛モーターの固定子複合体であるMotPS複合体が、外部負荷を感知して回転子リング複合体の周りに配置される固定子の数を制御することを示した。また、MotPS複合体はナトリウムイオンやポリ多糖に依存してべん毛モーターに組み込まれることが判明した。さらに、高速AFMによりMotSの構造変化の可視化に成功した。そして、MotSのC末端部分の構造変化がナトリウムイオンに依存することを明らかにした。
28年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 国際共同研究 (3件) 雑誌論文 (16件) (うち国際共著 1件、 査読あり 16件、 オープンアクセス 9件、 謝辞記載あり 16件) 学会発表 (44件) (うち国際学会 8件、 招待講演 6件) 備考 (1件)
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