計画研究
「分子ほぞ」という新しい化学結合の概念を実践し、数種類の歯車状両親媒性分子(GSA)を合成し、自己集合を調べた。その結果、分解温度が130 °Cと水の沸点をはるかに超える高い安定性を示す箱型六量体「ナノキューブ」を開発した.また、このナノキューブに存在する1 nmの空隙を疎水分子で充填すると、分解温度が150 °Cを超え、超好熱菌タンパク質の中で最も安定なパイロコッカスホリコシイCutA1の持つ148.5 °Cを超えた.続いて、分子のかみ合いを可視化する新手法(SAVPR: Surface Analysis with Varing Probe Radii)を開発した。これはコンピューター上で分子表面を求めるプローブ球の大きさを変化させ、接触面積の面間距離分布を求める手法である。SAVPRにより一連のナノキューブのかみ合いを調べた結果、ナノキューブの安定性は分子のかみ合いと良い対応関係があり、ナノキューブがvan der Waals力により大きく安定化されていることがわかった。自己集合性錯体の形成過程を我々が開発したQASAP (Quantitative Analysis of Self-Assembly Process)により調べた。Pd12L24錯体では、PdnL2n (n = 6, 8, 9)の閉じた構造とNMRで観測できない中間種が生成し、これらが最終構造へ至った。柔軟性の異なる二座配位子からなるPd2L4かご構造では、柔軟性が高いと、一過的に二次元シートを形成し、これが分解しかご構造へ変化した。また、Pd4L8四面体型、Pd4L8 double-walled triangleの形成過程も解明し、数百nmの中間体を一過的に生成することがわかった。また、キラルセルフソーティングの機構を世界で初めて解明し、自己集合のどの段階でソーティングが起こるかを突き止めた。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017 その他
すべて 国際共同研究 (2件) 雑誌論文 (21件) (うち国際共著 3件、 査読あり 21件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (18件) (うち国際学会 5件、 招待講演 6件) 図書 (1件) 備考 (2件)
Chemistry - A European Journal
巻: 24 ページ: 3965~3969
10.1002/chem.201705253
European Journal of Inorganic Chemistry
巻: - ページ: 1192~1197
10.1002/ejic.201800037
Physical Chemistry Chemical Physics
巻: 20 ページ: 7383~7386
10.1039/C7CP08237A
Inorganic Chemistry
巻: 57 ページ: 2686~2694
10.1021/acs.inorgchem.7b03085
Communications Chemistry
巻: 1 ページ: 14
10.1038/s42004-018-0014-2
Dalton Transactions
巻: 47 ページ: 3258~3263
10.1039/C8DT00112J
Chemical Communications
巻: 54 ページ: 3335-3338
10.1039/c8cc00695d
巻: 20 ページ: 9115-9122
10.1039/C8CP00284C
巻: 1 ページ: 20
10.1038/s42004-018-0020-4
Journal of Computer Chemistry, Japan
巻: 17 ページ: 31~37
10.2477/jccj.2018-0010
Bulletin of the Chemical Society of Japan
巻: 90 ページ: 印刷中
10.1246/bcsj.20180008
Chemical Science
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
10.1039/c8sc01062e
The Journal of Organic Chemistry
10.1021/acs.joc.8b00495
10.1002/chem.201801376
10.1002/chem.201801183
巻: 23 ページ: 6290~6294
10.1002/chem.201701348
巻: 19 ページ: 20338~20342
10.1039/c7cp03493h
巻: 56 ページ: 12652~12663
10.1021/acs.inorgchem.7b02152
Chemistry - An Asian Journal
巻: 12 ページ: 3203~3207
10.1002/asia.201701351
巻: 24 ページ: 663~671
10.1002/chem.201704285
巻: 24 ページ: 838~847
10.1002/chem.201702955
http://hiraoka.c.u-tokyo.ac.jp/
http://seimei.ims.ac.jp/