研究実績の概要 |
太陽ニュートリノと長基線原子炉ニュートリノ実験カムランドの質量自乗差の違いから示唆されている非標準相互作用の領域に対し、T2HKK実験とDUNE実験がどれだけ感度を持つかを調べ、太陽+カムランドのグローバルフィットのベストフィット点に対しては両実験ともに3σ以上の感度があることがわかった。小加速器からのμ粒子の静止崩壊するデータをT2HKと組み合わせることにより、質量パターンとCP位相に対する感度が増大することを示した。ステライルニュートリノを含む(3+1)-スキームでパラメーター縮退を考察し、新しい種類の縮退を発見した。ミュー粒子の異常磁気能率を説明しえる U(1)(L_μ - L_τ) 対称性を持つ模型を考え、対称性を破るスカラー場と対称性のゲージ粒子をLHCとILC実験でどこまで検証できるかを明らかにした。リチウム問題(6Liと7Li)を解決できる領域で、3つの異なる右巻きマヨラナ・ニュートリノの質量比を仮定して模型の構築を行い、この模型が現在存在するすべての実験結果を3σ以内で満足させることを示した。又、ミュオン異常磁気モーメントとBr(μ->eγ)の予言値について議論した。非可換幾何学におけるヒッグス質量保護の一つの可能性として、ヒッグス場とゲージ場を混合するような変換を考え、5次元ローレンツ変換に相当するものを暫定的に場の強さF_{μν}と共変微分D_μ Hの間の対称性として書き出し、形式的にヒッグス質量を禁止することを示した。非可換ヒッグス模型でフェルミオンの表現空間を広げ、ψ_{L,R}に直交した補空間にある種の波動関数分布 を仮定すると、自明なゲージ相互作用を保ちながら湯川行列がwaterfall構造及びlopsided構造を持つことを示した。
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