計画研究
(1)グラフェンを用いた有機EL素子応用には、グラフェンの低抵抗化と仕事関数制御が重要である。ドーパント材料として塩化金を選択肢,低抵抗化を確認,UVオゾン処理によりホール注入層であるPEDOT:PSSの濡れ性を向上させた。以上の技術を用いて、PEN基板上にグラフェンを転写して高分子有機EL素子の作製を試み、最大で8,000 cd/m2 @15 Vと輝度の格段の向上に成功した。(2)トップゲート誘電体層形成/素子封止用ALD装置の自作,立ち上げを行い,MoSe2およびInSe薄片を用いたトップゲートFETの動作を実現した。また黒リンFETにおいて,ALD成長したAl2O3膜が素子保護膜として有効であることを示した。またα(2H)-MoTe2薄片を用いたFETのガスセンサ応用を試み,両極動作MoTe2-FETによるNO2ガスの検出に成功した。(3)2H-type α-MoTe2を用いたTFTを作製し、原子膜電気伝導への分子吸着による伝導変調を調べた。計測はノイズ分析法により、通常の伝導素子は周波数に対して1/f特性を有する。 本素子でも真空中では同様の特性を示すが、測定チャンバに空気を導入すると、ノイズ強度が15桁上昇して1/f特性が消失し、ゆう端数依存性がなくなる。さらに、導電度変化が2つの抵抗値の間で入れ替わるランダムテレグラフノイズが観測されるようになった。これは、TFTが1つの分子の吸着に対して感度を示していることであり、超高感度のセンサーとしての応用展開が期待できる結果を得た。(4)h-BNの絶縁破壊電界の結晶方位依存性を調べた結果,層に垂直方向には12MV/cm,層に平行の場合は,4MV/cmと3倍程度の異方性を確認した.これは,面内に結合を集中させることにより,層に垂直方向にのみ破壊電界強度が増加しているためであると理解できる.
2: おおむね順調に進展している
グラフェンからTMDC,さらに酸化物系等様々な2次元系に研究が順調に進展しているため.また,デバイス作製におけるプロセスの確立が順調に進んでいる.
領域会議における班会議をうまく活用し,班内の問題点を確認・解決することで研究の速度を速める.
すべて 2016 2015 その他
すべて 国際共同研究 (6件) 雑誌論文 (29件) (うち国際共著 10件、 査読あり 29件、 謝辞記載あり 29件、 オープンアクセス 4件) 学会発表 (19件) (うち国際学会 19件、 招待講演 19件) 図書 (2件) 備考 (3件)
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