計画研究
宇宙最初期に誕生する超巨大ブラックホール「ファーストブラックホール」を探査・研究し、銀河も含めた形成と進化を読み解くことが本研究の科学的最終目標である。現在宇宙X線観測で主流のX線CCDでは読み出し速度が遅く、非同時計数によるバックグラウンド除去ができないので、科学目標に必要な微弱な天体のX線精密分光撮像が不可能である。そこでイベント駆動X 線SOIピクセル検出器(SOIPIX)を開発する。ピクセル電荷有感アンプはXRPIX3で成功したものの,予定ゲインには達しなかった.検討の結果,アンプ入力部の寄生容量が大きい事がわかった.そこで,そのレイアウトデザインを改良した素子=AXRPIX1の開発を行った.昨年度,C01班との協力のもとSPring-8で行った10μmΦのペンシルビームX線によるピクセル内部の電荷収集効率の測定の実験結果を解析したところ,ピクセル境界で著しく電荷収集効率が劣化している事がわかった.さらに詳しく検討した所,BPWでカバーされていないピクセル回路がセンサー層の電場構造を乱している事が原因である事がわかった.そして.回路を適切な位置に配置する事で避ける事ができることがわかった.読み出しノイズの大部分が素子内部の周辺回路が源である事がわかった.そこで,A02班と協力し,新しい読み出し回路を備えたXRPIX4の開発を行った.
1: 当初の計画以上に進展している
本B01班で開発するXRPIXの要素技術のうち最も重要な分光性能に関して,電荷収集効率のピクセル内部の非一様性とノイズ源を発見し,この原因を突き止め,改良の処方を得る事ができた.電荷収集効率の問題に対処し.さらに新しい読み出し回路を備えたXRPIX4の開発に成功した.
XRPIX4で分光性能の改善を試みているので,平行して他の重要な要素技術の確立を行う.次年度は特に,素子の大型化(15mm×25mm),不感層の薄い裏面プロセスの開発を行う.さらに,イベント読み出し時のセンサー層と回路層の電気的干渉を切る方策を探る.
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JINST
巻: 印刷中 ページ: 印刷中
Nuclear Inst. and Methods in Physics Research, A
巻: 765 ページ: 183-186
10.1016/j.nima.2014.05.025
Suzaku-MAXI 2014: Expanding the Frontiers of the X-ray Universe, proceedings of a conference held 19-22 February, 2014 at Ehime University, Japan. Edited by M. Ishida, R. Petre, and K. Mitsuda
巻: 1 ページ: 176 - 176
Proceedings of the SPIE
巻: 9144 ページ: 914412-1 - 7
10.1117/12.2057158
http://soipix.jp/