計画研究
本年度は、最終開発目標である32x32素子BIB型ゲルマニウム画像センサー開発に用いられる、読みだし集積回路とゲルマニウム材料の製造を行なった。また、昨年度開発した9x9画素シリコン基板支持型ゲルマニウム遠赤外線画像センサーの極低温冷却試験を行なった。冷却/昇温中の抵抗値をモニターすることで、赤外線検出器/読みだし集積回路の積層部(ナノ粒子金バンプ)とゲルマニウム赤外線検出器が温度300Kから3Kまでのサーマルサイクルで破壊しないことを確かめた。加えて、9x9素子のうち40素子に関して常温ならびに極低温での抵抗値を測定することで、画素間での特性のばらつきも小さいことを確かめた。さらに、大型画像センサー開発の準備として、128x128素子の積層実験をおこなった。最終年度に予定している気球観測実験に用いる冷凍器を購入した。また、これまでの研究成果、FD-SOI CMOS 集積回路の開発成果、表面活性ウエハー接合を用いたBIB型ゲルマニウム検出器の性能評価結果、シリコン基板支持ゲルマニウム遠赤外線センサーとFD-SOI CMOS読みだし集積回路を組み合わせた9x9素子画像センサーの開発成果をそれぞれフランスグルノーブルで開かれた国際学会"International Workshop on Low Temperature Detectors (LTD-16)"にて発表した。また、それらを3編の論文にまとめて投稿し"Journal of Low Temperature Physics"誌に査読論文として掲載された。
2: おおむね順調に進展している
当初の計画どおり、32x32画素のFD-SOI CMOS 極低温動作読み出し集積回路の開発を行った。追加配算により、将来の大型化を目指した、128x128画素のナノ粒子金バンプ試験素子の製作を行えた。MBE装置の不具合により、高性能透明電極の作成が遅れており、バックアップとして、イオン打ち込みと熱アニーリングによる従来型の透明電極作成条件の探索を行った。
当初の計画どおり、シリコン基板支持構造をもつBIB型遠赤外線センサーを開発する。また、すでに製作した、FD-SOI CMOS 極低温読み出し集積回路との積層実験を行う。引き続きMBEを用いた高性能透明電極の作成条件の探索を行う。
すべて 2016 2015 その他
すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 謝辞記載あり 3件) 学会発表 (4件) (うち国際学会 1件、 招待講演 1件) 備考 (1件)
Journal of Low Temperature Physics
巻: online first ページ: 1--8
10.1007/s10909-016-1522-z
巻: online first ページ: 1--6
10.1007/s10909-016-1484-1
巻: online first ページ: 1--5
10.1007/s10909-016-1551-7
http://soipix.jp/b02.html