計画研究
本研究領域の分子アーキテクトニクスの土台として、化学気相成長法により大面積なグラフェンを提供し、グラフェンを用いた分子デバイスの作製を行った。具体的には、グラフェンに磁性有機分子を修飾することによる新規デバイスの作製や、グラフェンによるナノギャップ電極に有機分子を架橋させて、架橋させた有機分子の電気特性を調べた。また、グラフェンは表面の変化に対して電気特性が大きく変化する。そのため、グラフェンのウイルスセンサ応用を目指して、グラフェン表面にウイルスと結合する有機分子である糖鎖を修飾することによって、ウイルスをグラフェン上に吸着させることに取り組んだ。糖鎖を修飾したグラフェンにウイルスを含んだ溶液を滴下することにより、ウイルスがグラフェンに吸着することによって、グラフェンの電気特性の変化する様子を観測し、糖鎖を修飾したグラフェンによってウイルスを高感度に検出できることを示した。また、ウイルス吸着後のグラフェンを原子間力顕微鏡や蛍光顕微鏡で調べることにより、グラフェン表面上にウイルスが吸着されていることを実際に確認した。また、触媒反応を利用することによって、グラフェンのセンサ感度を上昇させるとともに、吸着したウイルスの亜型を電気的に判別する研究にも取り組んだ。その結果、触媒反応がグラフェン上で検出でき、その方法によってウイルスの亜型が判別可能であることを示した。また、グラフェン表面の吸着を調べるために、液中でグラフェン電界効果タランジスタに表面弾性波を照射できるデバイスの研究に取り組んだ。溶液のpHの変化やグラフェン表面の吸着物に対する表面弾性波への影響を調べた。我々が持っている微細化技術を提供することによって、単たんぱく質を捕捉するための数10 nm程度の微小な穴の作製などにも取り組んだ。
29年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2018 2017
すべて 雑誌論文 (5件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (20件) (うち国際学会 7件、 招待講演 6件)
Nature Communications
巻: 8 ページ: 1-7
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