個々の分子の機能を生かした究極の情報処理システムを実現するべく、環境から受けるゆらぎと共存しつつ分子を利用し情報処理可能な演算方法、システム構成、そして信頼性を高める方法について研究を行なった。炭素1層からなるグラフェンをもちいた論理ゲートの実現、個々の分子がもつ微小な電荷を高感度で検出する技術や解析方法、自然や生物に学んでゆらぎを積極的に利用して高度な情報処理を行う電子アメーバシステムを開拓した。さらに雑音によって微小信号感度を高める反直感的な現象である確率共鳴が分子において特に効果的に起こることを理論的に示し、ゆらぎのもとで動作する単一分子システムの実現可能性を広げた。
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