計画研究
1)オートファゴソーム膜創生の解析:オートファゴソーム膜創生におけるミトコンドリアの役割を解析する予定であったが、他の計画に注力するため実施しなかった。2)選択的オートファジーにおける膜動態の解析:前年度に同定した数百の候補たんぱく質について更に絞り込みを行うために、siRNAスクリーニングを計画している。本年度は、スクリーニング系を確立するための試行錯誤を行い、siRNA固相法及び選択的オートファジーアッセイ系を組み合わせた高S/N比で再現性の高いシステムの構築に成功した。3)がん細胞におけるオートファジー:ある種のがん細胞はオートファジー依存性が高いことが判ったので、どのような場合に依存性が高くなるのか検討したが判明には至っていない。4)オートファジーを制御する低分子化合物の解析:オートファジーを抑制的に制御するたんぱく質であるRubiconに結合する低分子化合物が、予想に反してオートファジーを抑制することを見出した。抑制はRubiconの発現量を増加させるためではなかった。5)オートファジーの新規制御たんぱく質の同定と解析:ドイツEMBLとの共同研究により行ったsiRNAライブラリーのスクリーニングで得られた候補について、各種のオートファジー解析を実施し数個まで絞り込みを行った。あるリン脂質脱リン酸化酵素が、リソソームに局在し、特定リン脂質の代謝を介してリソソームとオートファゴソームの融合に寄与していることを明らかにした。この酵素の変異を原因とする遺伝性疾患が知られているので、患者の細胞を入手し解析する予定である。
2: おおむね順調に進展している
計画中2項目については進展が無かったが、他の項目は何れも成果が得られており概ね順調に推移していると考える。網羅的スクリーニングが着々と進行しているため、期間内に大きな発見が期待できる。
順調に進んでおり特に計画変更の必要は無いと考えているが、より発展が期待できる計画に注力しメリハリをつけていく。得られた成果に基づく派生的研究も随時行っていく。
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